住宅価格は今後どうなる?近年の推移・2026年以降の見通しを解説
マイホームの購入を考えるとき、価格が下がるまで待つべきか、今動くべきか迷う人は少なくありません。高い時期に慌てて買うのは避けたい一方、下落を待つうちに希望の物件を逃す不安を抱える人もいるでしょう。
現状、住宅価格は今後も高止まりするか緩やかな上昇が続く可能性が高く、大きな下落は見込みにくい状況です。当記事では、近年の住宅価格の推移や、価格が下がりにくい理由を、住宅金融支援機構のデータをもとに解説します。2026年以降に購入を判断するポイントも合わせて紹介し、住宅購入のタイミングを見極める判断材料をお届けします。
目次
1. 住宅価格は今後どうなる?
住宅価格は今後、高止まりするか、緩やかな上昇が続く可能性があります。建築資材費や地価が高い水準にあるため、大幅な下落は見込みにくい状況です。
ただし、日本銀行の金融政策や地域ごとの需給、景気、人口動態によっては、一部のエリアや物件で価格が下がる場合もあります。価格の下落を待つ間に住宅ローン金利が上昇すると、総支払額が増える可能性もあるため注意が必要です。
2026年以降に購入を検討する際は、価格だけでなく、金利や予算、立地などの希望条件をあわせて判断しましょう。
2. 近年の住宅価格の推移
近年の住宅価格は、上昇の傾向が続いています。新築住宅を取得するための所要資金は年々増えており、背景には地価や建築費の上昇があります。まずは住宅価格の推移と、価格を押し上げてきた要因を順に確認しましょう。
2-1. 新築住宅の所要資金は上昇傾向にある
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」を見ると、新築住宅の所要資金は2018年度から2024年度にかけて上昇しています。同調査における所要資金は、注文住宅では予定建設費と土地取得費の合計、建売住宅では購入価額を指します。
土地付注文住宅の全国平均は、2018年度の約4,113万円から2024年度の約5,007万円まで上がり、差は約894万円にのぼりました。注文住宅も約3,395万円から約3,936万円へ、建売住宅も約3,442万円から約3,826万円へと上昇しています。建売住宅は2023年度に前年を下回りましたが、期間を通してみると右肩上がりの推移です。
3つの住宅区分はいずれも、期間中に数百万円規模で増加しました。新築住宅の取得にかかる費用は、近年で着実に高くなってきた状況です。
出典:住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」
出典:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」
出典:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」
出典:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
出典:住宅金融支援機構「2020年度 フラット35利用者調査」
2-2. 地価や建築費の上昇が住宅価格に影響している
住宅価格は、土地の価格と建物の価格で構成されます。地価が上がれば土地の取得費が増え、建築費が上がれば建物の費用も増えるため、住宅価格全体が押し上げられます。建築側では、木材や鉄骨などの建築資材費、職人の人件費、キッチンや給湯器といった住宅設備費が近年上昇してきました。
ナフサ価格の高騰や供給不安を背景とする、いわゆる「ナフサショック」も、住宅設備や建材の価格に影響を与える要因です。ナフサからは、プラスチックや合成ゴム、塗料などの原料となる石油化学製品がつくられるため、原油やナフサの価格変動は一部の建材や住宅設備のコストに波及します。
土地と建物の両面でコストが上がった結果、住宅そのものを取得するための費用が高くなっています。近年の住宅価格の上昇は、単一の要因ではなく複数の値上がりが重なって生じた動きです。
3. 住宅価格が今後下落しにくい理由
住宅価格は今後、大きく下落するとは考えにくい状況です。建築資材費や人件費、円安、国際情勢など、価格を押し上げる要因が残っているためです。ここでは、住宅価格が下がりにくい背景を3つに分けて説明します。
3-1. 建築資材費が高止まりしているため
新築住宅の価格が下がりにくい理由の1つが、建築資材費の高止まりです。木材はウッドショックで大きく値上がりし、鉄鋼や住宅設備も原材料費、エネルギー費、物流費の上昇を背景に価格が上がっています。
ウッドショックが落ち着いた後も、資材費や物流費は高い水準にあります。建材の多くを輸入する日本では、海上輸送運賃や為替の変動が仕入れ価格に影響しやすく、建築コストも下がりにくい状態です。資材価格が高いままでは、住宅会社が販売価格を大幅に引き下げる余地も限られます。
3-2. 建築業界の人件費が上昇しているため
住宅価格を下げにくくしている2つ目の理由は、建築業界の人件費上昇です。建築現場では職人の高齢化や担い手不足が進み、労務費が上がっています。
人手不足の中で職人を確保するには、賃金の引き上げが必要です。2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、工期管理や人員配置の見直しも求められています。人材不足は短期間で解消しにくく、人件費がすぐに下がる可能性は高くありません。
3-3. 円安や国際情勢の影響を受けやすいため
3つ目の理由は、円安や国際情勢の影響です。円安が進むと、輸入する木材や住宅設備、エネルギーの価格が上がりやすくなります。
また、ウクライナ情勢や中東情勢、主要な海上輸送ルートの混乱なども、原油価格や物流費、ナフサ価格を変動させる要因です。原油やナフサが値上がりすれば、プラスチック製の建材や住宅設備の原料コストにも影響が及ぶ可能性があります。
円安や国際情勢は住宅価格を押し上げやすい一方、今後の動きは国内外の経済状況や金融政策にも左右されるため、先行きを一方向に決めつけることはできません。なお、ナフサショックが家づくりに与える影響については、下記の記事で詳しく解説しています。
4. 2026年以降の住宅価格を踏まえて購入を判断するポイント
2026年以降に住宅を購入するかどうかは、価格が下落するかだけで決めるものではありません。住宅ローン金利や希望条件、物件の種別まで含めて判断すると、無理のない資金計画に近づけます。購入を検討する際に意識したいポイントを3つ紹介します。
4-1. 価格と住宅ローン金利をセットで考える
住宅を購入するときは、物件価格と住宅ローン金利をセットで考えることが大切です。価格が下がっても金利が上がれば、総支払額や毎月の返済額が増える可能性があります。日本銀行による政策金利の引き上げなどを受け、住宅ローンを取り巻く環境は変化している状況です。特に変動金利型は、借入後の金利上昇によって返済負担が増えることがあります。
物件価格だけでなく、金利のタイプや返済期間、完済時の年齢も確認しましょう。毎月の返済額と完済時期を具体的に試算し、教育費や老後資金への影響も見ておくと、購入後の家計を見通しやすくなります。
4-2. 下落を待ちすぎず希望条件に合う物件を探す
住宅価格の下落を待ち続けると、希望のエリアや予算に合う物件を逃す可能性があります。価格が必ず下がる保証はなく、底値を正確に見極めるのは専門家でも困難です。
子どもの入学や通勤通学、住み替えの時期によって、住まいに求める条件も変化します。大切なのは、いつ買うかだけでなく、何を選ぶかという視点です。家族構成や予算、立地、将来の暮らし方に合うかを基準に物件を探すと、判断がぶれにくくなります。価格動向は参考にしつつ、自分たちの生活に必要な時期を優先することも大切です。
4-3. 注文住宅以外の選択肢も検討する
住宅価格を高いと感じる場合は、注文住宅だけでなく、分譲住宅も検討しましょう。分譲一戸建ては土地と建物がセットで販売されるため、総額や入居時期の見通しを立てやすい点が特徴です。
実際の建物を確認できることも多く、完成後のイメージとの差を抑えやすくなります。仕様を細かく決める手間も少なく、購入までの流れも比較的シンプルです。郊外まで範囲を広げれば、土地代を抑えられる場合もあります。注文住宅と分譲住宅を比べ、予算と希望のバランスが取れる住まいを探しましょう。
また、ナフサショックの観点から、1から注文住宅を建てると費用が上昇する可能性があります。一方、完成済み物件であれば価格はそれ以上上がることはないため、選択肢の1つとして検討してみてください。

まとめ
住宅価格は、建築資材費や人件費、地価の上昇を背景に、近年は上昇の傾向が続いてきました。円安や国際情勢の影響も残るため、2026年以降も高止まりか緩やかな上昇が続く見通しです。大きな下落を待ちすぎると、希望条件に合う物件を逃す可能性があります。
住宅の購入を考えるときは、価格の動きだけでなく、住宅ローン金利や希望条件、物件の種別まで合わせて判断することが大切です。完成済みの分譲住宅なら、土地と建物の総額や入居時期の見通しを立てやすく、予算に合わせて住まいを選びやすくなります。
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