独身だけど、戸建て住宅購入ってアリ?メリット・デメリットを紹介
「独身だけどずっと賃貸に住むより戸建てを買ったほうがいいだろうか……」
近年は独身の方でも戸建て住宅を購入するケースが増えています。とはいえ、独身で戸建て住宅を取得することにはメリット・デメリットがあるので両方理解したうえで判断する必要があります。
この記事では、独身の方が戸建てを購入するメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
独身でも“賃貸より戸建てがおトク”って本当?
独身なら賃貸という考え方が主流かもしれませんが、晩婚化や住宅ローンの低金利化などにより独身でも戸建て住宅を購入するケースが増えています。
戸建て住宅というと家族で住むもの、というイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、戸建て住宅は独身の方にとって、過ごしやすい環境が整うなど多くのメリットがあります。
また、独身の方が戸建て住宅を検討する大きな理由の一つに「家賃をずっと払い続けることへの不満」もあげられます。戸建て住宅を取得することで、住宅がのちのち自分の資産になり老後の不安の解消にもつながるのです。
そのような背景もあり独身でも戸建て住宅を検討する人が増えている傾向にあります。
しかし、家は一生の中でも最も高額な買い物です。独身で戸建てを取得することにはメリット・デメリットがあるので、両方を理解したうえで慎重に検討する必要があります。
以下でメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
独身で戸建てを購入するメリット
まずは、メリットについて確認していきましょう。メリットとしては次の3つが挙げられます。
ローン返済は自分の資産のための支出である 性能のよい家に住める 老後の住まいを確保できる |
それぞれ解説します。
ローン返済は自分の資産のための支出である
戸建て住宅を購入した場合、現金一括でなければ基本的に金融機関で住宅ローンを組んで購入します。そのため、毎月ローンの返済が必要です。
しかし、ローン完済後は住宅が自分の資産になるため、毎月の返済は自分の資産のための支出ともいえるでしょう。
賃貸の場合も、毎月家賃を支払う必要があります。ただ、賃貸の場合はいくら支払い続けても物件が自分のものになることはありません。単に大家さんに支払うだけの支出か、将来の自分の資産のための支出かという違いになります。
独身で住宅ローンを組むことに抵抗がある方もいるでしょうが、住宅ローンには、「金利の低さ」と「住宅ローン控除」というメリットもあります。
2022年現在、住宅ローンの金利は多くが1%程度かもしくはそれ以下と低金利です。住宅ローン控除では、適用条件を満たすことで借入額の0.7%を最長10年間控除でき、所得税の還元や住民税の減額が期待できます。条件によっては、金利分以上の還元を受けられる可能性もあるでしょう。
金利が低く、控除が利用できるため、2022年現在では住宅ローンを組んで住宅を購入しやすい環境ともいえます。
ただし、住宅ローン控除は面積や入居条件などの細かい規定があるため、特に中古物件では適用できない可能性がある点には注意が必要です。控除が適用できるかは売買契約を結ぶ前に確認するようにしましょう。
性能のよい家に住める
戸建て住宅には、耐震性や気密性・断熱性といった“住宅の性能のよさ”というメリットがあります。
近年は、性能のよい賃貸も増えてきていますが家賃が高い傾向があり、そのような物件はまだ多くはないものです。基本的には、賃貸よりも戸建てのほうが性能の面では勝っています。
また、戸建て住宅の場合、間取りの変更や好きにリフォームできるというメリットも。趣味のスペースを充実させたい、仕事用のスペースが欲しい、DIYを楽しみたいといった希望を叶えやすいのも戸建て住宅の大きな特徴です。
性能がよく自分の好きな空間を作りやすい戸建てであれば、自分にとって過ごしやすい環境で生活できるようになるでしょう。
老後の住まいを確保できる
戸建て住宅は、ローン完済後は住宅が自分の資産となります。老後の住まいを確保できるだけでなく、完済後は費用の多くをしめるローン返済分がなくなるため、生活費の負担の軽減にもつながるでしょう。
また、結婚後に住宅ローンを組むとなるとローン完済時の年齢もその分上がってしまいます。独身時代のうちに住宅ローンを組むことで、早い段階で住宅ローン完済も可能です。賃貸の場合、住み続けるかぎりいくつになっても家賃を支払う必要があり、生活費の大きな負担となりかねません。
また、高齢になってから新しい賃貸に引っ越すとなると、貸してくれる賃貸があまりないという問題もあるのです。戸建ての場合、ローン完済後はリバースモーゲージなどを利用してお金を借りられるというメリットがあります。
リバースモーゲージとは、家を担保に老後の生活費を借入れる方法です。基本的には毎月の返済は利息分のみとなり、契約者が死亡したときに家を売却して借入金を一括返済します。リバースモーゲージなら自宅に住み続けられ、返済の大きな負担なく老後の生活費を借入れすることが可能です。
独身で戸建てを購入するデメリット
独身で戸建てを購入することには、デメリットもあるので理解しておくことが重要です。デメリットとしては、次のようなことがあります。
引っ越ししにくくなる 収入合算できない 独身向けの戸建ては少ない |
それぞれ解説します。
引っ越ししにくくなる
戸建て住宅を購入した場合、気軽に引っ越しするのは難しいものです。購入した当初はよくても、数年経てば仕事の都合や近隣とのトラブル・周辺環境の変化などで、住みにくくなる可能性はあります。
賃貸であれば、契約期間が終了すれば好きに新しい場所に移ることができます。しかし戸建ての場合は、自由に生活の場を変更できないため、購入前に立地や周辺環境などを調査しておく必要があります。
ただし、独身であれば戸建を所有していても、それほど引っ越ししにくいわけではありません。いざとなれば、住宅を第三者に貸し出して賃料を得ながら、自分は別の場所で生活するということもファミリー世帯よりはしやすいでしょう。
第三者に貸し出す場合は、住宅ローン返済中は金融機関の許可が必要な場合もあるので、事前に金融機関に相談するようにしましょう。
また、どうしても新しい場所で生活したいという場合は、家を売却するという選択肢もあります。戸建てを購入したから、絶対にその場所に一生住み続けなければならない、というわけではありません。
収入合算できない
住宅ローンを組む場合、勤務先や年収などが審査されます。年収が低い場合は、住宅ローンが組めない可能性や組めても借入可能額が低くなってしまう場合があるのです。
夫婦であれば、ペアローンを利用して夫婦の収入を合算することで、満額借入することも可能です。しかし、独身の場合自分の収入だけで借入額が判断されるので注意しましょう。
ただし、現在は独身者でも住宅ローンが組みやすくなっています。金融機関によって審査の基準は異なるので、複数の金融機関を比較して検討するとよいでしょう。
独身向けの戸建ては少ない
独身者の戸建て住宅購入が増えていると入っても、独身者向けの戸建て住宅の供給はまだ少ないのが現状です。
中古で独身向けの戸建てとなると選択肢はあまり多くはないでしょう。独身向けで戸建てを検討しているなら新築するのも一つの手段です。新築であれば、自分の理想通りの間取りで生活することもできます。
ただし、新築の場合は建築費が高額になり、平屋や坪数の小さい住宅は割高になる可能性がある点には注意が必要です。また、将来結婚する予定があるなどライフプランも考慮して間取りなどを検討する必要もあります。
独身で戸建てを新築する場合は、信頼できる住宅会社に相談しながら進めていくことが重要です。
ライフプランに合わせて住処を選ぼう
独身で戸建て住宅を取得するメリット・デメリットについてお伝えしました。
独身であっても戸建て住宅を取得することで、老後の備えや自由な生活ができるなどのメリットがあります。ただし、ローンを組みにくい可能性や独身向けの戸建てが少ないなどもデメリットもあるので注意が必要です。
メリット・デメリットを理解したうえで、ライフスタイルやライププランに応じて、理想の戸建てを購入できるようにしましょう。