住宅ローンは育休中でも組める?審査に通るための対策や注意点を解説
産休中や育休中に家を購入したいものの、「収入が減っているのに住宅ローン審査に通る?」「復職前でも申し込みできる?」と不安を抱える方は少なくありません。育児休業給付金のみが支給され、給与収入が一時的に得られない時期は審査が厳しくなることもあり、家づくりの計画を進めにくいものです。
当記事では、育休中でも住宅ローンを借りられるケースや育休中の住宅ローン審査で見られるポイント、通過率を高める対応方法、育休中の住宅ローン申し込みにおける注意点を解説します。将来の暮らしを無理なく安心して描けるよう、住まい購入に向けた判断材料としてぜひお役立てください。
目次
1.住宅ローンは育休中でも組める場合がある
育休中でも、条件を満たせば住宅ローンを借りられる可能性があります。審査では休業期間中の収入よりも、育休前の年収や復職後の見通しが重視されます。不安を感じやすい時期だからこそ、評価や審査のポイントを理解しておきましょう。
1-1.育休中の年収はどのように評価されるのか
育休期間中の給与収入が一時的に減っていても、住宅ローン審査ではその金額が直接判断材料になるわけではありません。金融機関が重視するのは、給与として受け取っていた育休前の年収や、復職後に見込まれる収入です。育児休業給付金は雇用保険から支給される一時的な給付に過ぎず、返済能力を示す指標として扱われないためです。
ただし、実際の審査方法は金融機関によって異なり、復職予定を踏まえた見込年収を用いる場合もあれば、前年の年収を基準に判断する場合もあります。いずれのケースも、本来の収入水準をもとに返済能力を評価する点が共通しています。
1-2.育休期間が審査に関係してくる理由
育休中の申し込みが慎重に扱われる背景には、復職が必ずしも確実ではないという金融機関側の判断があります。国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2021年)によれば、出産前に就業していた女性のうち、第1子出産を機に離職した割合は30.5%にのぼります。就業継続率は上昇しているものの、一定数が復職を選ばない状況は依然として存在します。
さらに、保育園に入れない、体調が回復しない、時短勤務で給与収入が減るなど、本人の意思だけでは調整できない事情が発生することもめずらしくありません。こうした「働き方が変わる可能性」は金融機関にとって収入の不確実性につながるため、返済能力の判断が難しくなり、審査で不利となる場合があります。
2.育休中の住宅ローン審査で重視されるポイント
育休中に住宅ローン審査に申し込む際は、金融機関は複数の要素を総合的に判断するため、どこが評価されるのかを把握することが重要です。ここでは、審査で特に見られるポイントを解説します。
2-1.育休を挟んだ収入の見通し
育休前後で収入がどのように変化するのかを示せるかどうかは、審査における重要な評価材料になります。金融機関は一時的な減収よりも、育休前の給与水準や復職後の見込み年収をもとに返済能力を判断します。育児休業給付金は給与所得ではなく年収に算入されないため、審査では参考にされません。
金融機関は「本来どの程度の返済能力があるか」を確認するため、育休前後の収入を客観的に説明できる書類を用意するとよいでしょう。ただし、復職後の働き方が非正規雇用になるなど、給与が育休前より大きく下がる見込みがある場合は審査が厳しくなる点に注意が必要です。
2-2.復職予定の確実性
実際に職場へ戻れる可能性がどの程度あるのかは、金融機関が慎重に確認するポイントです。本人が復職する意向を持っていても、保育園の入園不承諾や体調不良などの外部要因によって予定通り職場復帰できないケースは少なくありません。
そのため、復職予定証明書など、復職の確実性を示す客観的な資料があるほど審査では有利になります。金融機関にとって復職の確率は「将来の返済能力」に直結するため、復帰が現実的であると示せるほど審査通過の可能性が高まるでしょう。
2-3.育休期間中の返済計画
育休中に融資が実行される可能性がある場合、休業期間中に住宅ローン返済を無理なく行えるかどうかも確認されます。一般的には復職後に融資が実行されるケースが多いものの、金融機関によっては育休中の貸し出しに対応していることもあり、その際は減収期間の返済能力が問われます。
副業収入や不動産収入がある、配偶者の収入で返済できる、連帯保証型の収入合算を利用するなど、返済の裏付けが示せれば評価は高まります。育休期間中のキャッシュフローを把握し、滞りのない返済計画を提示できれば、金融機関も返済能力を判断しやすくなり、審査通過の可能性が高まります。
2-4.健康状態を含む長期的な安定性
住宅ローン審査では、長期間にわたって安定して返済を続けられるかを金融機関が確認します。その際に深く関わるのが健康状態です。多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)への加入を融資条件としており、妊娠や出産期は体調が変化しやすく、健康状態の診査に影響する恐れがあります。
団信とは、契約者が死亡または高度障害となった際に、保険金によってローン残高が返済される仕組みです。団信に加入できない場合、審査自体に通らない可能性もあります。そのため、健康状態を把握した上で申し込み時期を調整したり、フラット35など団信加入が任意の住宅ローンを選んだりするなど、状況に応じた選択が求められます。
2-5.自己資金(頭金)の金額
自己資金の多さは、審査を通過しやすくする要素の1つです。頭金を多く用意できれば借入額が減り、毎月の返済額も抑えられるため、返済負担率(返済比率)が低下します。この返済負担率は金融機関が返済能力を判断する際に重視される指標で、年収に対する年間返済額の割合を示します。
一般的に頭金が少ないと返済負担率が高くなり、審査が厳しくなる傾向があります。たとえば年収400万円で年間返済額が160万円の場合、返済負担率は40%に達して審査は不利になります。しかし、自己資金を入れて年間返済額を120万円に抑えられれば返済負担率30%となり、承認を得やすくなるでしょう。
3.育休中でも夫婦で利用できる住宅ローンの種類
住宅ローンの種類によっては、夫婦で返済力を補い合える仕組みがあり、選び方によって借りやすさが変わります。ここでは、育休中でも利用しやすい代表的な住宅ローンを紹介します。
3-1.収入合算(連帯債務型)
収入合算(連帯債務型)は、夫婦が1つの住宅ローン契約を共同で借り入れ、双方が同等の返済義務を負う仕組みです。主たる債務者と連帯債務者に分かれますが、2人の収入を合算して審査されるため、借入可能額を増やしやすいのが特徴です。また、契約が1本のため事務手数料や保証料を抑えられ、金融機関によっては双方が団体信用生命保険に加入できる場合もあります。連帯債務者にも住宅ローン控除が適用されるケースがある点もメリットです。
一方で、どちらかの収入が減ると返済負担が家計へ影響するため、夫婦ともに安定した収入があることが前提となります。ペアローンより比較的審査のハードルが低く、育休中でも利用しやすい方法として検討しやすい選択肢です。
3-2.収入合算(連帯保証型)
収入合算(連帯保証型)は、住宅ローンの契約は1本で、夫婦の収入を合算して審査に生かせる仕組みです。主たる債務者が返済の中心を担い、もう一方は連帯保証人としてサポートする形になるため、育休中など収入が一時的に減っている場合でも利用できる可能性があります。ペアローンのように2本の契約を結ぶ必要がなく、手数料などの諸費用を抑えられるのはメリットです。
連帯保証人は通常、返済義務を負いませんが、主たる債務者が返済できなくなった際には全額の責任を負う点には注意が必要です。また、連帯保証人は団体信用生命保険に加入できず、住宅ローン控除も受けられないため、節税効果を期待したい夫婦には不向きな場合もあります。配偶者に安定した収入があって借入額を増やしたいときに選ばれやすい方法です。
3-3.ペアローン
ペアローンは、夫婦それぞれが自分名義で住宅ローン契約を結び、1つの物件に対して2本のローンを借りる方法です。双方が債務者となるため、お互いが連帯保証人となり、どちらにも安定した収入が求められます。借入額をそれぞれで設定でき、金利タイプや返済期間を個々のライフプランに合わせて選べる点はメリットです。また、夫婦双方が住宅ローン控除を受けられる可能性があるほか、金融機関によってはそれぞれが団体信用生命保険に加入できる場合もあります。
一方で、契約が2本になるため、事務手数料などの諸費用が増え、手続きも複雑になります。さらに、育休中は審査が厳しくなるため、パートナーの収入で2人分の返済をカバーできるかが重要な判断材料となります。ペアローンは、共働きで安定収入のある家庭に向いている仕組みと言えるでしょう。
4.育休中でも住宅ローン審査に通るための対策
育休中は収入が減ることで審査が厳しくなる傾向がありますが、準備次第で通過の確率を高めることは十分可能です。ここでは、育休中でも実践しやすい対策を紹介します。
4-1.減収後でも無理のない返済額かを確認する
将来の家計を安定させるためには、育休による減収を踏まえても負担の少ない返済額に抑えることが不可欠です。金融機関は返済負担率を重要視しており、この数値が高いほど返済能力に不安があると判断します。返済負担率は「年間のローン返済額 ÷ 手取り年収 × 100」で計算し、住宅ローン以外のカードローン・自動車ローン・奨学金なども含めて算出します。
一般的な審査基準は30~35%以下ですが、この範囲はあくまで「借りられる上限」であり、理想値は20~25%とされています。育休中は収入が減ることで返済余力が低下しやすいため、復職後の支出も含めて無理のない返済額かどうかを必ず確認しておきましょう。
4-2.育休前の収入が十分にあることを提示する
育休中でも審査の信頼性を高めるには、休業前に十分な収入があったことを客観的に示す必要があります。金融機関は返済能力を過去の収入実績から判断するため、育休により一時的に収入が減っていても、安定した収入基盤が確認できれば評価につながります。
具体的には、源泉徴収票や直近数か月分の給与明細書を提出し、可能であれば過去1年分の収入状況も提示しましょう。これらの書類は、育休前に継続的な収入があったことを証明する材料となり、復職後に収入が戻る見込みを裏付ける根拠にもなります。
4-3.復職後の雇用証明や収入見込みを金融機関に提示する
育休中に審査を進める場合、復職後も安定した収入が確保されることを金融機関に明確に示すことが求められます。そのためには、復職予定の事実や働き方、収入見込みを証明する書類を準備して提示することが効果的です。
具体的には、勤務先が発行する復職予定証明書や雇用条件通知書を提出し、復職後の勤務形態や給与水準がどの程度見込めるのかを提示します。また、時短勤務で復帰する場合は、その収入でも返済に無理がないことを説明します。将来的にフルタイムへ戻る見込みがある場合は、その予定も併せて伝えるとよいでしょう。
4-4.団信加入に向けて健康状態を事前に把握しておく
育休中に住宅ローンを借りる場合、団体信用生命保険(団信)に加入できるかどうかが審査結果を左右します。特に、妊娠や出産の前後は体調が変化しやすく、これらの影響で団信への加入が難しくなる可能性があります。
スムーズに手続きを進めたいときは、出産後に健康診断を受け、問題がないことを確認するとよいでしょう。産後間もない時期で体調に不安がある場合は、体調が安定してから申請時期を調整する選択肢もあります。どうしても育休中に借り入れたい場合は、条件付きで加入できるケースもあるため、事前に保険会社へ相談するのも一案です。
5.育休中に住宅ローンを組むときの注意点
育休中に住宅ローンを借りる際は、柔軟に対応してくれる金融機関を選ぶほか、諸費用の準備や控除額が減るリスクを踏まえた資金計画を立てることが重要です。ここでは、育休中ならではの注意すべきポイントを解説します。
5-1.育休中でも審査に通りやすい金融機関を選ぶ
育休中に住宅ローンを申し込む際は、審査に通りやすいとされる金融機関を優先的に検討するとよいでしょう。金融機関によっては、育休中の収入減を考慮し、復職後の年収見込みや夫婦の合算収入を踏まえて柔軟に判断するケースもあるためです。
また、一部では育児期向けの金利優遇や返済負担を軽減する制度を設けている場合もあります。審査基準や制度などは金融機関により異なるため、通常の金利や手数料だけでなく、育休中の申し込みにどこまで対応しているかを事前に確認しましょう。
5-2.諸費用を事前に準備しておく
育休中に住宅ローンを申し込む場合は、物件価格とは別に必要となる諸費用をあらかじめ確保する必要があります。住宅ローンでは手数料や保証料、印紙税、火災保険料、登記費用などの諸費用が発生し、購入価格の3~8%程度を占めるのが一般的です。
たとえば、5,000万円の住宅なら約150万~400万円が必要になる計算になります。諸費用のお金は、返済計画とは独立して準備しないと資金不足に陥る可能性があります。育休中は収入が減りやすいため、諸費用を早めに見積もり、自己資金として確保しておくことが、スムーズな審査通過につながるでしょう。
5-3.住宅ローン控除を十分に受けられない可能性がある
育休中の収入減により、住宅ローン控除の恩恵を十分に受けられない恐れがあります。住宅ローン控除は支払った所得税や住民税の範囲で適用されるため、課税所得が少ない期間は控除額を使い切れず、結果として控除のメリットが縮小することがあります。
育児休業給付金は非課税であり、育休期間は給与収入がない状態が続くため、所得税がゼロとなって住宅ローン控除を利用できない場合があります。復帰後に再び給与収入が増えれば住宅ローン控除の利用は可能ですが、年ごとに控除枠はリセットされ、未使用分を繰り越すことはできません。こうした仕組みを理解した上で、育休に入る時期や年間の収入見込みを事前に把握し、家計への影響を見据えたローン計画を立てるとよいでしょう。
6.育休中でも検討しやすいアイダ設計のローコスト住宅
育休中は収入が一時的に減り、住宅購入の予算に不安を感じやすい時期です。そのような場合は、価格が明確で計画を立てやすいローコスト住宅を選択肢に入れることもおすすめです。
アイダ設計は「正直価格」を大切にしており、費用削減に工夫を凝らすことにより、ローコストでありながら高品質を実現しています。さまざまな分譲住宅がありますので、予算やライフスタイルに合う住まいをご検討ください。
まとめ
育休中は収入が一時的に減るため、住宅ローン審査に対して不安を抱きがちですが、育休前の収入や復職後の見通しを適切に示せば、借り入れの可能性は十分にあります。復職予定を証明する書類を用意する、無理のない返済計画を立てるなど、育休中でも無理なく返済できることを示す対策を取り入れるとよいでしょう。
ただし、育休中は住宅ローン控除を十分に受けられない場合があるため、控除額の影響も踏まえて資金計画を立てる必要があります。予算面に不安がある場合は、価格が明確で計画を立てやすいローコスト住宅を選ぶことで、育休中でも住まいの検討を進めやすくなります。
アイダ設計では、ローコストながら高品質な分譲住宅・注文住宅を手がけています。ご興味のある方は、お気軽に店舗にご相談ください。
よく読まれている記事
関連オススメ記事
人気記事ランキング
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事

























