戸建て住宅の収納の目安は?新築の収納に関するポイントや注意点
新築の戸建て住宅を計画する際、収納スペースの確保は重要なポイントです。生活スタイルや家族構成に合わせた適切な収納スペースを設けることで、家の中を快適に保てます。
当記事では、新築戸建て住宅の収納スペースの目安や、収納を計画する際のポイント、後悔しないための注意点について詳しく解説します。これから新築を考えている方や、収納スペースに悩んでいる方にとって役立つ情報を提供いたしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.新築戸建ての収納の目安はどのくらい?
新築戸建て住宅で必要となる収納は、ライフスタイルや家族構成によって異なります。現在の荷物はもちろん、将来的に増えると予想される荷物の量を考えながら、必要な収納の広さをイメージするとよいでしょう。
今回は、一般的な新築戸建て住宅の収納の目安について解説するので、参考にしてください。
1-1.延べ床面積に対して収納率10~15%が目安
新築の戸建て住宅に必要な収納スペースは、「収納率」を目安に決めるとよいでしょう。収納率は住宅の床面積に占める収納スペースの割合を指し、「収納面積÷総床面積」で計算できます。
戸建て住宅の場合、延べ床面積に対して収納率10~15%程度が適切と言われています。例として延べ床面積が100平方メートルの住宅を建てる場合、収納スペースの目安は10~15平方メートルです。
建売住宅では、収納率は12~13%を目安に設計されるのが一般的となっています。ただし、出産や親との同居などによって居住人数が増える可能性がある場合は、収納にゆとりを持たせておくとよいでしょう。
1-2.マンションの場合は8~10%
新築戸建ての収納率が10~15%に対して、マンションの収納率は8~10%が一般的です。マンションなどの集合住宅に関しては、必要最小限の間取りで設計されることが多く、収納スペースは自然に制限されます。実際に販売されているマンションの収納スペースは、延べ床面積の8%を目安に設計されるケースが多いです。
元々マンションに住んでおり、限られた収納スペースで暮らしてきた方は、戸建て住宅でも同等の収納スペースで問題ないかもしれません。現状よりも少し余裕を持たせ、収納率10%前後で検討するのがおすすめです。
2.新築戸建て住宅の収納スペースを決める際のポイント
新築戸建て住宅の収納スペースを考えるとき、漠然と「収納スペースがたくさん欲しい」と希望するだけでは失敗する可能性があります。収納スペースは数や広さだけではなく、使い勝手を考慮し、自分にピッタリの収納プランを検討することが大切です。
新築戸建て住宅の収納スペースを決める際のポイントを3つ紹介します。
2-1.将来的なライフステージの変化を考慮する
収納スペースをプランニングする際には、まず今住んでいる家の収納量と比較するのがポイントです。
賃貸やマンションの場合、収納スペースが限られているため、収納率自体は一般的な目安より小さくても問題ない可能性があります。しかし、十分でない収納スペースで不便を感じながらやりくりしている方も多いです。ライフステージの変化に応じて物が増える可能性もあるため、将来のことも考慮して収納スペースを計画するとよいでしょう。
また、せっかくの広い収納スペースも、家族が増えるにつれて使いこなせなくなるケースが多くあります。収納スペースは収納面積だけではなく、収納のしやすさや物の取り出しやすさなどにも注目しながら決めるのがおすすめです。
2-2.自分や家族が使いやすい収納か確認する
ただ収納が多いというだけでは、片づけやすい住まいにするのは難しいと言えます。収納スペースは、自分や家族が便利に使えるかどうかが重要なポイントです。
例えば洋服の場合、ハンガーでかける派と、畳んで引き出しに収納する派がいます。自分の習慣とは異なる収納を選択した場合、使いにくさを感じ、片づけをすること自体が苦になる可能性があります。
また、どこに何を収納するかを考えるのも大切です。生活動線を考慮した収納プランを立てれば、「この場所に収納があれば」と後悔することも減るでしょう。普段、自分や家族が何をどのように収納しているかをイメージした上で、収納について考えてみてください。
2-3.ウォークインクローゼットは使い方や設置場所を重視する
ウォークインクローゼットを設置する場合は、使い方や設置場所が重要になります。一般的には、生活導線の観点から寝室や玄関の近くに設置するケースが多い傾向です。ウォークインクローゼットが寝室横にあると朝の身支度がしやすく、玄関付近にあると帰宅後すぐに着替えられるというメリットがあります。自分と家族のライフスタイルを思い浮かべ、利便性が向上するような設置場所を検討することが大切です。
ウォークインクローゼットには、出入口が2か所ある「ウォークスルー型」もあります。ウォークスルー型のウォークインクローゼットには通り抜けできるメリットがある一方で、通路部分に物が置けないのがデメリットです。ウォークスルー型のウォークインクローゼットを検討している方は、通路の幅や入口の位置などにも注意しましょう。
3.戸建て住宅の新築後に収納で後悔しないための注意点
今住んでいる家で、何となく物を出しっぱなしにしてしまう方や、片づけた物が取り出しにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。収納スペースのプランニングに失敗すると、新居でも片づけや物を出し入れする際に不便を感じ、後悔する可能性があります。
戸建て住宅の新築後に収納で後悔しないためには、以下で紹介する3つの注意点に気をつけるとよいでしょう。
3-1.収納率はあくまで面積のみ
収納スペースを考える目安の1つとして収納率が挙げられますが、収納率はあくまで面積のみを表すものです。収納率は収納スペース内の高さや具体的な仕様を反映しません。例えば、収納率を15%確保しても、クローゼット内に梁があったり床が高くなっていたりして、実際に収納できる量は少ないといったケースもあるため注意が必要です。
ハウスメーカーなどとの打ち合わせの際に平面図上だけで話を進めると、収納スペースのイメージに食い違いが生まれ、後悔する可能性があります。収納スペースをプランニングする際は、平面図だけではなく立面図やパースでも確認するとよいでしょう。既製品の収納ラックなどを検討している場合は、メーカーのショールームを確認するのもおすすめです。
3-2.収納場所ごとに適した物を収納する
収納スペースを有効活用するポイントとしては、収納場所ごとに適した物を収納することが挙げられます。
例えば、キッチンに設置されることが多い床下収納は、ローリングストックに適しています。ローリングストックとは、災害に備えて食料などを一定量確保し、消費しながら補充する方法です。食品を多めに購入してストックし、賞味期限までに消費して、なくなった分をまた買い足します。一方で、日常的に使用する物や重い物の収納には、床下収納はあまり向いていません。
ロフトや屋根裏は天井高が低く、奥に置いた物が取り出しにくかったり、間口が狭くサイズが大きい物や重たい物を取り出すのに苦労したりします。そのため、季節家電やシーズンごとに使用するアイテムを収納するとよいでしょう。
3-3.集中型よりも分散型の収納を意識する
新築戸建て住宅の収納率の目安は10~15%ですが、必ずしも収納率が高ければ収納しやすいわけではありません。
収納には、大きく分けて「集中型」と「分散型」の2つのタイプがあります。集中型は納戸など1か所に物を収納するケースで、分散型は各部屋で分けて収納するケースです。集中型の収納は収納率を上げられる一方で、家の中が散らかりやすい原因にもなります。
散らかりにくい収納にしたい場合は、各部屋に収納を用意し、必要なときに物を出し入れできる分散型がおすすめです。プラスアルファとして、押し入れやロフトといった大型収納があるとよいでしょう。
まとめ
新築戸建て住宅の収納スペースは、ライフスタイルや家族構成に合わせて計画することが大切です。収納率の目安は延べ床面積の10~15%ですが、実際の使い勝手を考慮しながらプランニングすることが重要です。
また、将来的なライフステージの変化や、家族の使いやすさを考慮した収納スペースを設ければ、快適な生活を実現できます。収納に関するポイントや注意点を押さえながら、自分に合った理想の住まいを作り上げてください。