注文住宅・新築一戸建てで後悔したこと~郊外立地編~
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静かで落ち着いた住環境、山や海が近くて週末にはアウトドアを楽しめる……そんな生活に憧れていて、郊外に家を建てることを考えているという方もいらっしゃるのでは?
同じ理由で郊外に新築一戸建てを建てることを選んだ先輩ご家族に、住んでみなければわからなかった「ちょっとした後悔」を聞いてみました。生活をスタートしないと分からないことが、何やらさまざまあるようです……。
シリーズ「新築一戸建て建築にまつわるちょっとした後悔」郊外立地編をお届けします!
親は車通勤だから気にならなかったが、子どもの通学が大変
夫婦ともに職場まで自動車通勤のわが家。必ず2台分の駐車場が欲しかったし、その分広い土地を購入したかったので、駅からの距離はまったく考慮していませんでした。
私の実家と同じ市内で「建築条件なし」でも「駅までクルマやバスで25分」の分譲宅地がありました。歩いて10分以内の場所には広い園庭のある保育園や小学校・中学校、小児科。クルマで10分も走れば広い駐車場完備のショッピングモールがあり、値段も手ごろだったので、そこに家を建てることを即決。大満足だったんです。長女が高校生になるまでは……。
小・中学校は徒歩10分の場所にありましたが、進学を決めた公立高校は駅から電車に乗って通学です。とにかくバスが混むので、部活で大荷物を抱える長女はさらに朝1本早めに乗ることに。駅まで送ってあげられればよいのですが、私も夫も駅とは逆方面に同じ時間帯に出発しなければならなくて。
帰宅も夜9時を過ぎると一気にバスの本数が減るのでアルバイトや夜練習に参加するのも難しく、大学の進学先も通学時間で相当悩みました。
親は車生活できても、子どもはすぐに対応できないこと、すっかり頭から抜けていたのが反省点です。
(Aさん・実家と同じ市町村内に土地を購入、地元の工務店で戸建て建築後5年)
買い手がつかないと聞く
郊外というよりも、もっと自然が豊かな場所に家を建てました。夫婦2人と大型犬2頭で暮らしているので、犬のために広い庭が欲しかったというのが理由です。犬仲間に遊びに来てもらったときも、みんなからうらやましいと言ってもらえる環境ですが、少し不安に思っていることもあります。
それは老後のこと。年齢的に、今一緒に暮らしている犬たちが私たちの飼う最後の子たちかなと考えています。その後、夫婦2人になったりどちらかが残されたりしたときに、この家を処分したいのです。
しかし、近所の方が「この辺はなかなか買い手がつかないから、子どもが戻ってこなければ放置になってしまうのよね」と話されていました。確かに、若いご家族には不便な場所。家を建てるときに「処分」のことまでは考えず、心配なんて全くしなかったのです。人口が減っている市区町村では少し考慮した方がいいかもしれませんね。
(Bさん・地元デベロッパーで注文住宅建築後20年)
子どもが家を継ぎたがらない
息子が1人います。大手ハウスメーカーの上位ブランドで家を建て、定期的にメンテナンスもお願いしているので、家を建てて10年以上経ちますが今でもとてもきれいです。2世帯でも十分暮らせる間取りで、一人っ子なので相続で揉めることもないし、きちんと残せる財産として家を考えていたので予算的には頑張りました。
ところが息子は「駅から遠いし、メンテナンス費が高いっていつも文句いっているじゃない。キレイに売れるうちに売って、駅近の2LDKくらいに引っ越したら? 僕?? いらないよ、掃除大変だし」ですって!!
「家は財産」と考えていましたが、これからどうなるのか、ちょっと不安な気持ちがあります。
(Cさん・大手ハウスメーカーの注文住宅建築後10年)
広い庭を維持するのが大変
庭付きの一戸建てで、裏の林まで含めると結構な広さがあります。お隣さんの生活音を気にする必要もなく、視線も気にならないのはとても気に入っています。家の前にも四季折々の変化が楽しめる雑木林があり、とにかく静かな環境です。
ただ、林の維持が大変ですね。年に1回は造園業者さんに依頼して大掛かりな剪定をしてもらい、ちょっとした竹林なのでタケノコの時季は親戚に管理をお願いしています。家の前の雑木林は普段から道路に枯葉を落とすので、小まめに掃除をしなくてはいけません。あっという間にベランダや樋(とい)に落ち葉が積もっちゃいますから。それから、夏は雑草対策が欠かせません。
駐車スペースだけでなく、庭も全部コンクリートで覆ってしまいたいと考えたこともありますが、あまりにも殺風景ですよね。メリットも多いけれど、デメリットもそれなりにあるのが広い庭なのかもしれません。せっかく郊外に住んでいるんだから広々過ごしたい気持ちと、こまごました手間が面倒くさい気持ちが戦っています。
(Dさん・地元工務店で注文住宅建築後6年)
「困るかも」なポイントを踏まえた土地探しを!
「本当は都心部に住みたかったけれど、予算の都合で郊外立地になってしまった……」という最初から少しの後悔の気持ちを持っていた方よりも、郊外立地が好きで多くのメリットを感じて選んだ方のほうが「認識していなかったデメリット」に後から気がつくことが多いようでした。
特に、立地は住んでみてから「ちょっとした困った」に気がつく部分でもあります。「いいところ」と同じように「困るかもしれないところ」も想像して、対処法があるかを考慮したうえで検討できるとよいですね!