注文住宅・新築一戸建て購入後に防音対策で後悔したことは?
「一戸建ての防音」といえば、ピアノやバイオリン、カラオケといった「大きな音を出して音楽を楽しみたい人」だけが気にするものだと考えていませんか?
大声を出しても聞こえないほど隣家と離れている広々敷地のお宅は別として、住宅密集地では案外多くの「一戸建ての防音」に関して気になるポイントがあるようです。
大好評のシリーズ「新築一戸建て建築にまつわるちょっとした後悔」の防音編をお届けします!
ペットの鳴き声、防音対策をすればよかった
子どもは娘2人、おとなしい性格で、前に住んでいたアパートでもご近所さんから苦情をいただくようなこともなく、一戸建てに引っ越す際に「音」に関して心配に思うことは一切ありませんでした。
わが家は5軒並んで同時期に販売された、地元では大手の分譲開発会社の3階建てです。はじめから隣同士の視線が気にならないように絶妙に窓の位置をずらして設計されているので、周囲の視線を気にせずに窓を開けることができて、通風の点でも気に入って購入しました。
しかし、1点だけ後悔していることが……。それが「音」。窓を開ければ、当然音は筒抜けですが、窓を閉めていても結構響いてしまうのが、戸建てに引っ越ししてから飼い始めた小型犬の鳴き声です。
建築前に契約したので、いくつかオプションを選べたのですが、その時に「二重サッシ」がありました。「高気密・高断熱になります。あと、音も遮る性能がありますよ」と提案いただいたのですが、そこまで寒い地方でもないし、娘たちも静かだし……と見送ってしまいました。
今からサッシの取り換え工事をしたらものすごく高いみたいです。最初から二重サッシにしておけばよかった……。
(Aさん・大手開発会社の分譲戸建を購入後5年)
お隣のガス給湯器の音が結構うるさい
いわゆる閑静な住宅街に家を建てました。人通りも車通りも住人と宅配業者程度、古くからある住宅地で近所に小さなお子さんがいる家庭もほとんどいないので、日中も鳥のさえずりくらいしか聞こえない静かな環境になっています。
その分、普通なら気にならないような機械の動作音まで、とても気になります。お隣さんのガス給湯器が、わが家のキッチンのちょうど裏手にあって、ガス給湯器を使っているときは機械の作動音が結構家のなかに響きます。さすがに窓を閉め切っている真夏と真冬はあまり気にならないのですが、窓を開けて過ごしたい時期は結構大きい音ですね。
採光と換気のためにキッチンの窓を大きくとったこと、キッチンの横に勝手口があること、換気扇もあること。空気が入るということは音もよく入るということですね。住んでみないとわからないことでした。
(Bさん・工務店で注文住宅建築後6年)
寝室と子ども部屋の天井はふさぐべきだった
2階の個室について、ちょっと反省点がありました。できるだけ天井高を高く、開放的な空間にしたかったこと、将来子どもが独立して子ども部屋が不要になったら壁を取り払って一続きの空間にしたかったので、屋根裏の天井を貼りませんでした。夫婦の寝室と子ども部屋の間には簡単に外せるパネルをたてて、視界は遮れるようになっています。
この「天井はつながっている」という個室の作り方、音が丸聞こえなんです。子どもが小さい頃はあまり気にならなかったのですが、中学生になってお友達と電話したり部屋でゲームをしたりするときに、結構気になります。こちらが気になるということは向こうも気になっているはず。家族の間でも「内緒話ができる空間」は必要だなあと反省しています。
(Cさん・建築士の個人事務所に依頼して建築後2年)
防音ルームだと思って安心していたのに音漏れしていたなんて!
娘2人がピアノを習っています。ご近所に気兼ねなく演奏したかったので、1階の個室を音楽室として防音対策してもらいました。窓も二重にして、ドアも防音用のドアをもう一つ、二重につけてもらいました。2階のリビングにいても、3階の寝室にいてもピアノの音は気にならなかったので、お金をかけて良かったなぁと安心していたんですが……。
なんと、外には音が漏れていました。どうも、二重窓から小さな音が漏れているみたいです。窓のすぐ裏手にお隣さんの家の窓があり、窓を開けている時期は音が聞こえてくるのだそうで……。
「ピアノを弾いているなと気がつく程度だから気にしないで、上手だから聞いていて楽しいのよ、褒めるつもりだったのに気を使わせることになってごめんなさい」と慰めてもらいましたが、それを聞いてしまった以上、夜に弾くのはさすがに禁止事項にしました。どのレベルの防音を求めるか、きちんと確認しないとダメですね。
(Dさん・地元工務店で住宅建築後3年)
建てた後からでは対策しにくい防音の悩み
防音というポイントに意識が向かなかった方、きちんと対策をしたはずなのに失敗してしまった方、それぞれの「後悔ポイント」がありました。
一戸建ての防音対策というと「楽器やカラオケ」などの大きい音を出したい人向けをイメージしがちですが、テレワークやリモート授業で、家族がお互い家のなかで仕事や勉強をするときの音が気になる、というご相談も増えています。
「一戸建てだからマンションと違って音は気にしなくていいはず」と思い込まないようにしましょう!