注文住宅・新築一戸建てで後悔したこと ~駅チカ物件編~
229 view
「家探しの重要なポイント」のトップ10に必ずランクインするといっても過言ではない、「駅からの近さ」。
「エキチカ物件」など、略称まですっかり定着しているほどです。しかし、マンションと比較すると一戸建て物件では駅から近い物件はそれほどたくさんの選択肢があるわけではなく、実際の声を集めることも難しいのではないでしょうか。
今回は「新築一戸建て建築にまつわるちょっとした後悔」駅チカ物件編をお届けします!
やっぱり広い土地を選べばよかった
家づくりを考え始めたのは結婚して2年目、そろそろ子どものことも考え始めようかというタイミングでした。当時、保育園が足りていないことがよくニュースで取り上げられていて、会社の先輩社員の中にも育休復帰が遅れたりする人がいました。
私自身、結婚はもちろん出産で仕事を辞めるなんて全く想像もしていないことだったので、家を建てるにあたって最優先は会社への交通の便がいいこと、子育てに便利な環境であることを重視していました。
それで選んだのが駅までの間に3つの保育園があり、これから駅構内にも保育園ができるという駅まで徒歩5分、18坪の土地でした。いわゆる「狭小住宅」です。
共働きではありましたが、住宅ローンは手堅く返済できる額に抑えようとすると、この程度の広さが限界でした。引っ越し当初、夫婦2人で生活している間は全く問題を感じなかったものの、あれから2人の子に恵まれ、大きくなってくるとやっぱり手狭に感じます。今はまだ子どもたちと寝室が一緒なくらい小さいのに、これから勉強部屋を用意しなくちゃとか、それぞれの荷物が増えてくるんだろうな、とか頭が痛いです。
やっぱり通勤時間が多少長くなっても、郊外に広めの土地を買った方がよかったかなあ……と今でも考えてしまいますね。
(Aさん・エキチカ狭小18坪を購入、注文住宅建築後5年)
定年退職後はあまりメリットがない
バスに乗ったり長く歩いたりしなくて済むよう、少し不便ではありましたが駅前もあまり飲食店や駅ビルなどがないような各駅停車駅を選んで物件を探しました。
サラリーマン時代はやっぱりラクでしたし、子どもたちが高校・大学で帰宅が遅くなるときにもそんなに不安がなかったのはとてもよかったです。
今、定年退職して子どもたちもそれぞれ独立して夫婦2人で生活しているのですが、この30年ずっとメリットに感じていた部分は、正直なところ必要なくなりました。案外駅には用事がなく、普段はほぼ幹線道路沿いのスーパーや病院、商業施設まで一生懸命自転車をこぐ毎日です。
今はまだ元気なので問題ないですが、これから年を取って自転車がツラくなってくると大変だなあと考えています。
(Bさん・中堅デベロッパーで注文住宅建築後30年)
ドアを開けると割といつも人通りがあるのが地味にストレス
実家は商店街の一角で長年商売をしていました。父母が亡くなった後、シャッターを閉めたまま放置していたのを、建て直して住まいにしています。わが家のような「元お店」のお家は他にも増えてきていますね。
間口は狭いので、家の玄関は商店街に向かって開いているのですが、お客さんが少なくなったとはいえ駅に続く商店街なので、常にぽつぽつと人通りはあります。
外出しようと玄関ドアを開けるときはまだ「それなりの格好」をしているのでいいのですが、ちょっとゴミ出し、とか郵便ポストを見に行くようなタイミングでも駅に向かう人と普通に目が合ってしまうんですよね。「ここは何のお店だろう? 」って感じでこちらを見ている人も多くて……。
店をやっていた当時は、店の中を通って店の裏手にある階段から家に入るのが面倒でしたが、あれはあれでプライバシーが守れてよい仕組みだったのかもしれません。
(Cさん・建築士の個人事務所に依頼して建築後2年)
家バレしやすい
最寄り駅はそんなに大きい駅ではありませんが、バスロータリーからすぐの土地に家を建てました。駅徒歩1分と言っていいと思います。そんなにエキチカで探していたわけではかったのですが、土地面積が希望通りで、知人の紹介で不動産仲介料がからなかったのが大きくて。
おおむね満足しているのですが、ひとつだけ後悔しているのが「勝手に家を特定されてしまう」いわゆる家バレです。
パート仲間さんに娘たちの小学校の同級生、習い事のママ友さん……今まで何人も「Dさんのお宅、すごい駅前なのねー! びっくりしちゃった! 」と声をかけられました。相手だけこちらの自宅の位置を知っているって、落ち着かないものですね。
もっとクローズド外構の塀を高くして、玄関周りが見えないようにしておけばよかったです……。
(Dさん・地元工務店で注文住宅建築後6年)
考えるべきは “一般的に”ではなく“わが家的に”
「落ち着いて静かな住環境」という表現が、“暗くて独り歩きをするのは少し怖い”というデメリットも含むように「エキチカ」という表現にも人によってはマイナスを感じるポイントがありました。
どんな条件にも「合う・合わない」「気になる・気にならない」があるのは当然ですが、「こんなデメリットは想像もしていなかった」と引っ越し後にショックを受けるのは避けたいものです。
いろどり編集部では、これからも皆さまの家づくりでの後悔をなくすためにも「思いもしなかった後悔」を探していきます!