分譲地の区画と選び方|後悔しないために知っておきたいこと
一度家を建てると、いざ引っ越ししようとしても、なかなかすぐには動けませんよね。
分譲住宅の場合、区画が決まってしまっているので、どの区画を選ぶのかによって住宅の快適性が変わってきます。選び方を間違えてしまうと、家族が将来にわたり暮らしにくい家が出来上がってしまいます。
この記事では、これから分譲住宅を購入しようとしている方向けに、区画の種類やメリット・デメリットを踏まえた分譲地の選び方について解説します。
1.道路を基準にした分譲地の区画の選び方
分譲地の区画選びでは、土地に接する道路が「どんな位置・方角にあるのか」を押さえることが重要です。日当たりを重視するのか、それともプライバシー保護を重視するのかなど、住む人が優先したいポイントによって区画の選び方も変わってきます。
東側の道路
東側の道路と接している区画は、主に午前中に日が差し込みやすくなります。駐車場の導線から玄関を東側に設ける形になるため、日当たりのいい南側をすべてLDKにすることもできます。
逆に、午後は隣接する建物に遮られ、南〜西側からの日光が取り入れにくい傾向にあります。東側の道路に接する区画を選ぶ場合、日光を生活にどう取り入れるかを考えながら、住みたい住宅をイメージすることが大切です。
西側の道路
西側の道路と接している区画は、日が沈む午後の日差しを取り入れることができます。冬場は寒いので、日が差すだけでも暖かいことから、冬が長い地域では光熱費の節約が期待できるでしょう。
しかし、夏場は部屋の室温が上がってしまい、なかなか室温が下がらない日もあります。日光を遮ることで暑さは軽減できるため、遮光カーテンやすだれなどを使って、住宅の日除け対策を徹底しましょう。
南側の道路
日当たりを特に重視するのであれば、南側の道路と接している区画を選ぶと、日光の恩恵を最大限に受けられます。建物を北側に寄せて、駐車場・庭の日当たりが良くなるよう工夫するとよいでしょう。
リビング・ベランダによく日が入るため、日中は明るい環境で過ごせますし、窓からの視界も広くなるため開放感があります。その一方で人目につきやすくなるリスクがあり、防犯対策・プライバシー確保については検討が必要です。
北側の道路
北側の道路を選んだ場合、他の位置と比較して日光を取り入れにくくなります。しかし、他の区画に比べて価格が安く、周辺の視線・騒音を感じにくいなどのメリットもあります。
2.土地の位置を基準にした分譲地の区画の選び方
分譲地の区画を選ぶ際は、接する道路だけでなく、土地の位置がどうなっているのかについても注意しましょう。特に、角地・旗竿地に家を建てる場合、それぞれのメリット・デメリットを理解しておかないと後悔するかもしれません。
分譲地とは?メリット・デメリットや真ん中・角地についても解説
角地
分譲地は道路を除いてほぼ密集状態ですが、その分譲地の中で「角の部分」に位置する区画を角地といいます。2本の道路に接している土地のため、日当たりが良く開放感も得られ、資産価値も高い傾向にあります。
しかし、その分購入価格も高くなり、人・車の往来も多くなります。プライベートを重視する人や小さい子供がいる家族は、周辺環境も考慮しつつ検討が必要です。
旗竿地
道路から路地が伸び、奥に広がった場所に広がる土地は、旗竿地と呼ばれます。メリットは道路から離れていることで、プライバシーを確保しやすく比較的静かに過ごせますし、分譲地の中でも販売価格が低めです。
デメリットとしては、道路の幅よりも大きい車が通れないこと、隣接する建物のせいで日当たりが悪いことなどがあげられます。見通しが悪く、泥棒に狙われやすいリスクもあるため、防犯対策も必要でしょう。
ゴミ置き場のある区画
ゴミ置き場が家の近くに配置されている区画は、他の区画に比べて価格が安いのが大きなメリットです。比較的日当たりのよい角地に設置されることもあるため、必ずしも悪い選択肢とはいえません。
ただし、臭いが気になる人にとってはストレスになるかもしれませんし、住民のルール違反、害虫の存在など、ゴミに由来する問題が発生するリスクも高めです。ゴミ置き場の近くに住むなら、ゴミ置き場側の区画にハーブを植えるなど、何らかの対策は必要になるでしょう。
3.周辺環境を基準にした分譲地の区画の選び方
暮らしの快適性を左右するのは、道路や土地の位置だけでなく、周辺環境も同様です。購入予定の分譲地が隣接する施設や公共物なども、分譲地を選ぶポイントになります。
電柱
電柱に関しては、どの区画でも絶対に避けられるわけではありませんが、可能であれば電柱が家の前にある物件は避けたいところです。ペットが用を足す場所になりやすく、電線があることから、鳥の糞が落ちることも多いためです。
アパート・駐車場
アパートや駐車場が隣接していて、ゴミ捨て場を共有する場合は、マナー問題が深刻化するおそれがあります。何か問題が起こればトラブルに発展することも十分考えられます。
保育園・幼稚園
リモートワークなど、日中自宅で仕事をすることが多い家族がいる場合、子供の声が気になるかもしれません。送り迎え時は、車や自転車などが停まるため、通行の妨げになるリスクもあります。
畑
自宅近辺に畑があり、自分で畑を管理できない環境の場合、砂埃や風当りに悩まされることがあります。獣害や鳥の糞などの被害も考えられるため、こちらもできれば避けるようにしましょう。
消火栓
目の前の道路など、自宅近辺に消火栓がある場合、その付近に駐車ができなくなります。敷地内に車庫を作ることができれば問題ありませんが、洗車・タイヤ交換などの作業に制限がつくため、避けられるなら避けた方が無難です。
4.良い分譲地の区画を選ぶポイント
良い土地かどうかを判断するためには、実際に住んだ状況を、できる限り具体的にイメージする必要があります。以下、良い分譲地の区画を選ぶポイントをご紹介します。
優先事項を決めておく
人気があるからといって、何が何でも角地を手に入れようとする必要はありません。それぞれのライフスタイルや家族構成・価値観によって、どんな土地がフィットするかは変わってきます。
価格・日当たりはもちろんのこと、車を停める場所や庭の有無など、本当に必要な要素から優先順位を決めることが大切です。
実際に現地を見てみる
図面や写真だけを見て、土地の購入を判断できるのは、基本的に専門知識が豊富な人だけです。実際に現地を見てみることで、思わぬメリット・デメリットが見つかるかもしれません。
現地を見る時間帯によっても雰囲気は異なるため、可能であれば昼夜の状況を確認したいところです。例えば、夜になると人通りが極端に少なくなる地域は、人の目がない分だけ犯罪に巻き込まれやすくなります。
購入を検討している分譲地を見る際は、図面等に書かれた方位に誤りがないかどうかもチェックしましょう。建物の間取り次第では、微妙にずれているだけでも日照時間が変化することがあるため、方位磁針を持参して現場を確認することをおすすめします。
5.まとめ
分譲地は、接する道路や土地の位置関係によって、生活上のメリット・デメリットが変わってきます。よく聞かれる「角地は人気」・「北側の道路は暗い」といった意見は、あくまでも一般論であって、自分や家族が暮らすにあたってのメリットになるとは限りません。
ゴミ置き場のある区画は不人気ですが、その分価格が安くなるため、適切な対策をとれる人にとってはメリットが大きいかもしれません。分譲地の区画を選ぶ際は、周辺環境も含め、総合的に判断した上で決めましょう。