一軒家にベランダ・バルコニーは必要?両者の違いや内見時に確認すべき点
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一軒家の購入を検討している方の中には、ベランダ・バルコニーは必要か決めかねている方もいるのではないでしょうか。ベランダ・バルコニーは、洗濯物を干すときやガーデニングや家庭菜園といった趣味を楽しむときにあると便利です。しかし、あえてベランダ・バルコニーをなしにする利点もあります。
当記事では、一軒家におけるベランダ・バルコニーの使い道や必要性を解説し、一軒家にベランダ・バルコニーは必要なのか、なしにする利点はあるのかといった点を紹介します。併せて、両者の違いや、内見する際にチェックすべきポイントも把握しておきましょう。
目次
1.ベランダとバルコニーの違いとは?
ベランダとバルコニーには明確な違いがあります。2つの違いは、「屋根があるかないか」です。屋根があるものがベランダ、屋根がないものがバルコニーと定められています。
ベランダは、屋根があるため雨よけや日よけができる点が特徴です。一方バルコニーは、ベランダより広い場合が多いのが特徴です。
バルコニーには「ルーフバルコニー」「サービスバルコニー」という種類があります。ルーフバルコニーは下階の屋根部分を利用したもので、サービスバルコニーは一般的なバルコニーよりも小さなバルコニーを指します。
2.一軒家にベランダ・バルコニーは必要?使い道や必要性について
最近では、ベランダ・バルコニーがないタイプの一軒家を見かけるケースがあります。ベランダ・バルコニーがないと掃除が不要になるといったメリットがある一方で、不便に感じることも少なくありません。そのような中で一軒家の購入を考える際に、ベランダ・バルコニーが必要かどうか悩む方もいるでしょう。
ベランダ・バルコニーには多様な使い道があるため、どのような使い道があるのか知っておけば、今後の生活で必要になるかどうかの判断材料になります。以下では、ベランダ・バルコニーの使い道や必要性について解説します。
2-1.洗濯物を干すのに適している
屋根があるタイプのベランダ・バルコニーは、洗濯物の外干しに適しています。乾燥機付き洗濯機を持っていたとしても、天日干しならではの気持ちよい仕上がりにはできません。また、室内に洗濯物を干すスペースがあっても、天気がよいと外に干したいと思うこともあるでしょう。
そのようなときに、ベランダ・バルコニーがあれば洗濯物や布団を干すことが可能です。わざわざ1階に運び庭に干す必要もなく、2階のみで完結できるため家事の手間も最小限に抑えられます。
2-2.室外機の設置場所として利用できる
ベランダ・バルコニーがあれば、生活に欠かせないエアコンの室外機を設置できます。
ベランダ・バルコニーがない場合の室外機の設置方法は、「1階もしくは屋根の上に置く」「吊り下げる」などです。しかし、長い配管が悪目立ちする可能性があります。外壁の色によっては配管のカバーとミスマッチしてしまい、マイホームの外観を損なう結果になりかねません。くわえて、室外機の設置や取り替えの際に工事費・メンテナンス費が高くなります。
その点、ベランダ・バルコニーに室外機を設置すれば、配管カバーが外観の邪魔をする心配はありません。また、安全性やメンテナンスのしやすさを考慮すると、外壁に室外機専用置場を取り付ける方法よりも2階ベランダ・バルコニー部分に設置するのがおすすめです。
2-3.ガーデニング・家庭菜園といった趣味を楽しめる
新しい家で、趣味としてガーデニングや家庭菜園をしたいと考えている方もいるでしょう。しかし、家によっては庭を設けてないところもあります。庭がない場合は、ベランダ・バルコニーでガーデニングや家庭菜園の趣味を楽しむことが可能です。
育てたい植物や野菜の種類・量にもよりますが、ベランダ・バルコニーがあれば少しのスペースでも手軽に趣味を始められます。ガーデニングや家庭菜園を考えている方は、できるだけ日当たりのいい場所にベランダ・バルコニーを設置するのがおすすめです。
2-4.ベランピングやアウトドアリビングとして活用できる
ある程度の広さがあるベランダ・バルコニーなら、べランピングをしたりアウトドアリビングとして活用したりできます。
べランピングとは、自宅のベランダ・バルコニーをキャンプ場に見立て、アウトドアグッズを活用しながらくつろぐことを指します。わざわざキャンプ場に行かずとも、自宅でアウトドア気分を楽しめる点が大きな魅力です。
また、アウトドアリビングとして室内のリビング以外にリビングを用意することで、空間をより広く見せられます。
アウトドアリビングは、基本的に室内のリビングからつながっており、室内からベランダ・バルコニーの様子を確認できるため安心感があります。ペットや小さな子どもの事故やトラブルを、未然に防止できる可能性も高まります。
3.一軒家にベランダ・バルコニーは必ずしも必要ではない!なしにする利点とは
ベランダ・バルコニーにはさまざまな使い道がある一方で、ベランダ・バルコニーが必ず必要かというとそうではありません。ベランダ・バルコニーなしの家を建てる方もいます。
ベランダ・バルコニーを作らないメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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ベランダ・バルコニーなしの場合、ベランダ・バルコニーの掃除が不要なため家事の手間を軽減できます。また、不審者がベランダ・バルコニーから侵入する心配がなく、安全性が高くなります。洗濯物をベランダ・バルコニーに干さなければ虫や花粉が付着することもなく、取り込んだ洗濯物から室内に汚れを持ち込みません。
ベランダ・バルコニーをつけなければコスト削減になり、浮いたお金をほかの設備やインテリアに使うこともできるでしょう。ベランダ・バルコニーの有無によるメリット・デメリットを把握した上で、設置するかどうか判断してください。
3-1.必要であれば後付けすることも可能
ベランダ・バルコニーをつけずに建てた家でも、後になって「やはりベランダ・バルコニーがほしい」と感じるケースもあるかもしれません。その場合は増築工事を行い、ベランダ・バルコニー部分の後付けが可能です。
ただし、建築物の耐震や防火など最低限の安全性を定める法律の「建築基準法」に適合している必要があります。建ぺい率や容積率によっては、後付けができない場合がある点を頭に入れておきましょう。
ベランダ・バルコニーの後付けをする際、場合によっては建築確認申請が必要です。「防火地域又は準防火地域以外で、増築の床面積が10平方メートル未満のもの」であれば申請は不要なため、申請の対象か否かの事前確認をしましょう。
出典:e-GOV「建築基準法」
4.内見する際にベランダ・バルコニーでチェックすべきポイント
内見時にベランダ・バルコニーでチェックすべきポイントは、以下の通りです。
・日当たりが良好か
ベランダ・バルコニーは、日当たり良好な場所が望ましいです。日当たりを確認するためには、方角を気にする必要があります。南側は、日が入りやすいため洗濯物も乾きやすいでしょう。
日当たりのよさから、ベランダ・バルコニーは一般的に南側に設置されています。ただし、夕陽が差し込むことや夏は暑いという特徴があり、日除け対策が必要という点には要注意です。どの程度の日当たりを求めるかによって、選ぶべき方角が変わります。
・使用目的に適しているか
事前にベランダ・バルコニーの使用用途を考えましょう。洗濯物を干したいならランドリールームから遠くない場所が望ましく、ガーデニングをしたい場合などは水回りとの距離が近い方が便利です。
・隣接した住宅間の距離が近いことによるリスクはないか
住宅間の距離が近い場合、視線が気になったり干している洗濯物や中の様子が丸見えになったりする可能性があります。さらに、距離が近いことで2階から侵入される防犯リスクも高まり、安心とは言えません。
屋根がついていれば、多少目隠しの役割を果たしてくれますが、プライバシーが守られているか、侵入できる距離ではないかなどの周辺環境を事前にしっかりと確認しましょう。
・十分な大きさの屋根が付いているか
屋根は、雨よけができる大きさでなければなりません。十分な大きさの屋根であれば、洗濯物を干している際に多少の雨が降っても濡れずに済みます。
また、日よけ効果もありほどよく日差しを和らげてくれるため、ベランダ・バルコニーで快適な時間を過ごすことが可能です。
・排水設備や防水機能に問題はないか
屋根があるとは言え雨風にさらされるため、排水設備や防水機能が劣化していることがあります。事前に確認を行いましょう。
排水溝が詰まっていると下の階に漏水する恐れがありますが、排水溝の水捌けがよければ大雨の時に水が溜まらず、ガーデニング・家庭菜園にも最適です。また、床に防水加工が施してあるとメンテナンスも楽になります。
上記のように、ベランダ・バルコニーでチェックすべき点は複数あります。まずは、ベランダ・バルコニーをどのように活用したいのかを明確に決めましょう。生活環境や使用目的から自分自身に適したベランダ・バルコニー、方角を選び、防犯面や機能面に問題がないかどうかも確認することをおすすめします。
まとめ
一軒家にベランダ・バルコニーがあると、洗濯物を干すときに便利なことや室外機の置き場所として活用できるといった使い道があります。ほかにも、ガーデニング・家庭菜園・ベランピングなどの趣味を楽しむスペースや、アウトドアリビングとして利用するのもおすすめです。
一方でベランダ・バルコニーがなければ掃除が不要になる上に、防犯面での安全性が向上するなどのメリットがあります。ベランダ・バルコニーがない分、建築にかかる費用も抑えることが可能です。
目的や用途によってベランダ・バルコニーの必要性は変わります。まずは使い道を確認して、自分たちには本当にベランダ・バルコニーが必要かどうか考えることから始めるとよいでしょう。