分譲地とは?メリット・デメリットや真ん中・角地についても解説
これからマイホームを建てようと考えた際、重要なポイントの一つが「土地選び」です。予算や治安・住みやすさなどの観点から、分譲地を購入しようと考えている方も多いのではないでしょうか。
真ん中や角地など、分譲地は選ぶ場所によってメリット・デメリットが変わってくるため、家族のニーズに合わせて慎重に選ぶ必要があります。
この記事では、分譲地のメリット・デメリットについて、真ん中や角地のケースも含めて解説します。
1.分譲地とは
分譲地とは、不動産会社が面積の大きな土地をまとめて購入し、区画整理した上で宅地として小分けに販売している土地のことをいいます。
分譲地の規模によって、大きく「大規模分譲地」と「小規模分譲地」の2種類に分かれます。
大規模分譲地は、一般的に20戸以上のことをさす場合が多いですが、区画が100を超える大規模なものもあります。広大な土地を一から区画設計できるため、総じて街の景観が整っているのが特徴です。
これに対して小規模分譲地は、2区画や4区画など、コンパクトな規模なのが特徴です。すでに完成している街の中にある場合が多く、いわゆる「駅近」など、通勤や買い物に便利な分譲地が多く見られます。
2.分譲地のメリット・デメリット
分譲地は、一般的な宅地にはないメリットが数多く存在する反面、誰にとってもメリットが多い選択肢とは言い切れません。分譲地の購入を検討する前に、まずは分譲地が持つメリット・デメリットについて理解しましょう。
分譲地のメリット
分譲地が持つメリットとしては、次のようなものがあげられます。
- 生活インフラが整っている
- 自力で土地探しから始めるよりコストをイメージしやすい
- 住人同士が仲良くしやすく、防犯性も高め
以下、それぞれのメリットについて解説します。
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生活インフラが整っている
分譲地は、宅地として使用することを前提に不動産会社が購入するため、あらかじめ暮らしに必要な生活インフラが整っています。もともと宅地でない土地を購入して、一から住宅を建てようと考えた場合に比べて、購入者側の負担は少なくなります。
自力で土地探しから始めるよりコストをイメージしやすい
購入者が自分で土地探しからスタートした場合、トータルで発生するコストをなかなかイメージしにくく、想定していた予算をオーバーしてしまう恐れがあります。
しかし、分譲地を購入して住宅を建てる場合、付帯工事も含めハウスメーカー側が価格を提示してくれますから、建設費用も分かりやすいでしょう。
住人同士が仲良くしやすく、防犯性も高め
分譲地によっては、コミュニティスペースのような、住民同士が仲良くなるのを助ける施設が設置されていることもあります。防犯性の高さを重視して、防犯カメラを設置したり、警備員を巡回させたりしている分譲地も見られます。
分譲地のデメリット
分譲地を購入するにあたり、想定すべきデメリットとしては、次のようなものがあげられます。
- ご近所付き合いが濃密
- 設計に限界がある
- 交通アクセスに要注意
以下、それぞれのデメリットについて解説します。
ご近所付き合いが濃い
分譲地では、住民同士のコミュニケーションが重要で、コミュニケーションの密度が防犯などのメリットにもつながっています。言い換えれば、ご近所付き合いが苦手な人にとっては、濃密なやり取りに苦痛を感じる場面が増えるかもしれません。
設計に限界がある
分譲地は、あらかじめ区画整理された状態の土地なので、住宅の設計に関してはどうしても限界が生じます。玄関や窓の向き・家の高さなど、自分たちのこだわりをすべて家作りに反映させるのは難しいでしょう。
交通アクセスに要注意
近隣に駅やバス停がないなど、公共交通機関を利用しにくいエリアの分譲地を購入した場合、車・バイクを運転できない人は不便に感じられるかもしれません。また、スーパー・コンビニが離れていると、その分普段の買い物が面倒になりますから注意しましょう。
3.角地のメリット・デメリット
分譲地は、場所によって競争率が異なり、交差している2本の道路に接する「角地」は特に人気です。選ぶメリットは大きいですが、デメリットもあるため、角地の特徴を理解した上で選びましょう。
角地のメリット
角地を選ぶメリットとしては、次のようなものがあげられます。
- 間取りの自由度が高い
- 防犯面で有効
- 比較的売却しやすい
以下、詳しく解説します。
間取りの自由度が高い
角地を選ぶと、住宅を建てる際に間取りの選択肢が増えます。道路2方向に面している東南の角地なら、玄関の向きを東にするか南にするか選べますし、リビングを日当たりの良い場所に配置することも難しくないでしょう。
防犯面で有効
角地は道路に面している部分が多いため、自宅が人目につきやすくなります。空き巣や不法侵入を試みる犯罪者にとっては、不審者として通報されるリスクが高まることになるので、結果的に自宅が被害に遭うリスクも減少します。
比較的売却しやすい
角地や角地に建っている家は人気があるので、購入希望者は多い傾向にあります。そのため、仮に自宅を手放すことになったとしても、比較的売却しやすいものと推察されます。
角地のデメリット
角地を選ぶデメリットとしては、次のようなものがあげられます。
- 選んだ角地によっては逆に住みにくい
- プライバシーに配慮しなければならない
- 交通量が多い場合がある
以下、詳しく解説します。
選んだ角地によっては逆に住みにくい
角地の家は2方向の道路に面しているので、その分日当たりは良いのですが、逆に過ごしにくくなってしまうことがあります。広い道路に面した南西角地の場合、日中から夕方にかけて日光が差し込むため、夏場は遮熱・断熱対策を取り入れる必要があるかもしれません。
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プライバシーに配慮しなければならない
角地は人目につきやすいので、家のデザイン・間取りによってはプライバシーが侵害され、住人の精神的負担になる恐れがあります。外の様子が気になる場合は、フェンス・ブロック塀などを用意して、家の中の様子が見られないよう配慮する必要があるでしょう。
交通量が多い場合がある
車がよく通る角地に家を建てた場合、出勤ラッシュ時の自家用車の出し入れに手間取ったり、子どもが車にひかれそうになったりすることが予想されます。自宅が事故に巻き込まれてしまうケースも考えられるため、安全な環境かどうかは事前に確認することが大切です。
4.真ん中の土地(旗竿地)のメリット・デメリット
分譲地の中には、旗竿地(はたざおち)という、周囲を他の住宅に囲まれる真ん中の土地もあります。旗竿地は、多くの人にとって住みにくいとされますが、旗竿地ならではのメリットも存在します。
真ん中の土地(旗竿地)のメリット
一般的に旗竿地は「不便な土地」と考えられているため、他の区画に比べて土地の価格が安くなる傾向にあります。土地を安く手に入れられるので、その分だけ建物に予算を回すことが可能になります。
また、奥まった敷地であることから、道路を走る車・通行人の視線などを気にせず暮らしやすいでしょう。個性的な家を建てても目立たないので、比較的自由なデザインのマイホーム建築を検討できます。
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真ん中の土地(旗竿地)のデメリット
旗竿地は、周囲を建物に囲まれる分、必ずしも日当たりや風通しが良いとはいえません。窓の場所や間取りなど、家族が暮らしやすいような住宅の設計を検討しなければならないでしょう。
また、公道に接する路地の入口は「最低2m以上」と法律で定められているものの、実質的には2mを超える幅があるケースはほとんどありません。そこに自動車を停めることを考えると、車種が限定されてしまうため、家族が多い人・車好きな人は注意が必要です。
5.まとめ
分譲地を選ぶと、生活インフラが整った環境に家を建てることができ、他の住民とのコミュニケーションも取りやすいでしょう。暮らしやすさを重視して、人気の角地を選ぶ方法もありますが、予算や住宅のデザインを重視して旗竿地を選ぶのも一手です。
分譲地をお探しなら、お住まいの地域の最新情報を仕入れることが大切です。アイダ設計の「土地仕入れ情報」では、幅広いエリアの新着土地情報を網羅しておりますので、気になる土地情報がございましたら、お気軽にお問い合わせください!