
建売住宅に必要なセキュリティは?暮らしの中で注意したいポイントも
建売住宅においても、防犯対策は欠かせない重要なポイントです。警察庁の統計によると、一戸建て住宅は侵入窃盗の被害件数で最も多く、特に無施錠の窓や人目につかない玄関からの侵入が目立ちます。
防犯性能を高めるには、購入時の確認だけでなく、日常的な意識と行動が重要です。当記事では、建売住宅における代表的なセキュリティ対策を、窓・玄関・庭・室内といった場所ごとに紹介します。日々の生活の中でできる防犯習慣についても解説するので、これから住宅購入を検討している方や、建売住宅を購入した方は、安全・安心な暮らしのためにもぜひ参考にしてください。
目次
1. 建売住宅にセキュリティ対策は必要?
警察庁が公表した犯罪統計によると、2023年の侵入窃盗の被害件数のうち、一戸建て住宅への侵入が30.5%と最も多くなっています。特に昼間や夕方に不在となる家庭では、空き巣による被害が発生しやすいため注意が必要です。
出典:警察庁住まいる防犯110番「データで見る侵入犯罪の脅威」
主な侵入手口としては、鍵がかかっていない窓や玄関の鍵へのサムターン回しによる侵入などが挙げられます。建売住宅であっても、防犯対策は重要な課題となります。
2. 建売住宅におすすめのセキュリティ対策
建売住宅を購入する際には、間取りや立地だけでなく、防犯性の高さも重視することが大切です。安全に暮らすためにも、各所に適切な防犯対策が施されているか確認しておきましょう。
ここでは、住宅の防犯性を高めるために、各エリアで講じたいセキュリティ対策について詳しく解説します。
2-1. 窓の防犯対策
戸建て住宅への侵入手口として最も多いのが、無施錠や施錠が甘い窓からの侵入です。特に建売住宅の場合は、開口部の仕様が標準的になっている家も多く、狙われやすい傾向があります。
窓の防犯対策としては、まず割れにくいガラスへの交換が効果的です。ガラスを割るのに時間がかかると、空き巣が侵入をあきらめる可能性が高くなります。また、窓の外側に設置する「面格子」も侵入に対する抑止力となります。
補助錠を設置し、窓を簡単に開けられないようにすることも重要です。目に見える場所に補助錠を設置することで、防犯意識の高さをアピールでき、空き巣の抑止につながります。
2-2. 玄関ドアの防犯対策
玄関も侵入犯罪における主要な経路の1つです。特に人目につきにくい立地や、玄関周辺が暗い住宅は狙われやすい傾向があるので注意しましょう。
基本として、鍵は「2ロック仕様(ダブルロック)」が望ましいです。1つの鍵だけでは開錠に成功する可能性が高くなるため、2つ以上の鍵を設けることで防犯性が向上します。ディンプルキーやロータリーディスクシリンダーなど、ピッキングに強いタイプの鍵を採用するのもおすすめです。
「サムターン回し」と呼ばれる不正解錠への対策も必要です。サムターン回りを防ぐには、カバーの設置や防犯サムターン付きの鍵への交換を行うとよいでしょう。また、玄関周辺に「センサー付きライト」を設置すれば、人が近づいた際に自動で点灯し、空き巣が心理的に侵入しにくくなります。
2-3. 庭の防犯対策
庭付きの建売住宅では、庭の管理状態も防犯に関わります。草木が生い茂っている庭や物陰が多い庭は、空き巣にとって身を隠しやすく、狙われやすくなります。空き巣を防ぐためには、日常的に庭の手入れを行い、死角を作らないことが防犯の基本です。
防犯対策として効果的なアイテムの1つが「防犯砂利」です。歩くと音が鳴るようになっており、侵入者の行動を周囲に気づかせる役割を果たします。人が近づくと自動で点灯する「人感センサー付きライト」の設置を行うと、夜間の不審者への警告になります。
さらにセキュリティを高めたい場合は、「防犯カメラ」の設置も有効です。録画機能付きのカメラを玄関や庭先に設置することで、証拠を残せるだけでなく、犯罪抑止力としても働きます。カメラの存在自体が空き巣に警戒心を抱かせ、侵入を諦めさせる効果があります。
2-4. 室内の防犯対策
屋外の対策に加えて、室内にセキュリティを備えておくと安心です。万が一侵入を許してしまった場合に被害を最小限に抑えられるよう、「ホームセキュリティ」を導入するとよいでしょう。
一般的なホームセキュリティサービスは、各部屋や窓にセンサーを設置し、不審な動きや開閉があった際に自動で通報される仕組みになっています。警備会社が24時間体制で対応してくれるため、外出中や就寝中でも安心です。
また、ホームセキュリティの「ステッカー」や「プレート」を玄関や窓に貼るだけでも、空き巣に対して強い警告になります。侵入のリスクが高いと判断されると、空き巣は別の家を狙う傾向があるため、「きちんとしたセキュリティがある」とアピールすることも非常に効果的です。
3. 暮らしの中でできる防犯対策は?
住宅の防犯は、設備だけでなく日々の生活習慣や意識によっても大きく左右されます。空き巣は、住人の生活パターンや行動の隙を巧みに見抜いて犯行に及ぶので、普段の暮らしの中でも防犯意識を持つことが大切です。具体的には、次のような点に気を付けるとよいでしょう。
- 留守とばれないようにする
空き巣は留守中を狙って犯行に及ぶことが多く、郵便受けに新聞やチラシが溜まっていると「不在」と判断され侵入されるリスクが高まります。旅行や長期外出の際は新聞の一時停止を依頼し、不在だと分からないようにしましょう。また、照明のタイマーを活用して夜間に室内を明るく見せるなど、生活感を演出する工夫も効果的です。 - 家の周囲の見通しを良くする
家の周囲に物陰や背の高い植物があると、空き巣が身を隠しながら侵入できるため、見通しの悪さが犯罪を招く要因になります。特にフェンスやブロック塀の裏、物置の陰などは死角になりやすく注意が必要です。庭木は定期的に剪定し、不要な物は撤去しておきましょう。 - 鍵は必ずかける
外出時だけでなく在宅中も鍵をかける習慣をつけましょう。「少しの時間だから」と鍵をかけずに出かけてしまうと、空き巣にとって格好のチャンスとなります。玄関だけでなく、掃き出し窓や勝手口、小窓なども忘れずに施錠するよう習慣づけましょう。 - 普段からご近所付き合いをしておく
ご近所との交流は、防犯対策としても有効です。地域内の顔見知りが多いと、見慣れない人物や不審な動きに気づきやすくなり、空き巣の抑止につながります。日頃から挨拶を交わしたり、防犯パトロールに参加したりして、地域のつながりを強めておくことが大切です。 - 周囲に足場になるものを置かない
ベランダや窓の近くに脚立、自転車、植木鉢などが置かれていると、侵入の際の足場として利用されてしまう可能性があります。足場をよじ登って、2階以上の窓やバルコニーから侵入されてしまうかもしれません。物置や収納ボックスなども配置場所や高さに十分気を配りましょう。
まとめ
建売住宅での暮らしを安全に保つには、設備面だけでなく日常のちょっとした行動にも注意を払う必要があります。窓や玄関などの主要な出入口への防犯対策を講じるとともに、庭や室内にも意識を向けて不審者の侵入を防ぎましょう。また、日頃から地域とのつながりを深めたり、防犯習慣を身につけたりすることが、被害を未然に防ぐうえで有効です。
侵入しようと計画している人に対して、「防犯対策を施している家」という印象を与えることが、未然に犯行を防ぐための大きなポイントです。安心できる住環境は家族の生活の質にも直結するので、後悔しないようにセキュリティを高めておきましょう。
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