住宅ローン相談会とは?参加するメリットと準備するべきものを紹介
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住宅を購入する際、多くの方が避けて通れないのが住宅ローンです。しかし、ローンの種類や仕組み、最適な借入額を自分で把握するのは難しいと感じることが多いでしょう。そのような方におすすめなのが「住宅ローン相談会」です。専門家がローンの基本から最新の優遇措置まで丁寧に説明し、個別の状況に応じたアドバイスも提供します。
当記事では、住宅ローン相談会のメリットや参加にあたって準備するべきものについて詳しく解説します。これから住宅を購入する予定がある方や、ローンの組み換えを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 住宅ローン相談会とは
住宅ローン相談会とは、自分に合った住宅ローンに関する相談ができる説明会です。これから住宅購入を考えている方や、既に住宅ローンを契約していて組み替えを検討している方を対象に実施されます。
セミナーや個別相談、オンラインといった形式の相談会があり、無料で行われるケースも少なくありません。主に金融機関や不動産会社、独立系のファイナンシャルプランナーなどが住宅ローン相談会を主催しています。
住宅ローンは、住宅購入の検討段階に達していない方がほとんどです。相談会では、住宅ローン・住まい購入・将来設計に詳しい有識者から実用的なアドバイスがもらえるため、将来への不安や家計負担の軽減につながります。
2. 住宅ローン相談会の参加で分かること
住宅ローン相談会では、住宅ローンに詳しい専門家から直接説明を受けることで、自分たちだけでは分かりにくい部分も理解しやすくなります。
以下では、相談会への参加で分かる具体的な内容を紹介します。
2-1. 住宅ローンの種類
住宅ローンを検討する前に、そもそも住宅ローンにはどのような種類があるのかを理解しておくのが重要です。住宅ローンには、金利タイプや借入先機関などの違いによって、さまざまな種類があります。
相談会では、住宅ローンにどのような種類が存在するのかという基本的な情報も分かりやすく教えてもらえます。例えば、固定金利型と変動金利型の違いについて、分からない部分の説明を受けた上で、実際にどのような商品があるのかを相談可能です。
借入先機関・商品ごとに、金利優遇の有無や付帯保険などの特徴を確認しておくと、「より自分たちに合った」住宅ローンを選びやすくなるでしょう。
2-2. 住宅ローンの仕組み
住宅ローン相談会では、住宅ローンの種類に加えて、審査基準や契約の流れといった基本的な仕組みについても学べます。住宅ローンの仕組みを把握していないと、スムーズに申し込めなかったり、必要書類が間に合わず審査に影響が出たりする場合もあるため注意が必要です。
相談会に参加することで、具体的な申し込み方法が分かるため、「何をいつまでに行うのか」が明確でない方も安心です。申し込みからどのくらいの期間で実際に融資が受けられるのかという疑問・不安も解消できます。
また、相談会では住宅ローン控除や各種補助金など、住宅購入の負担軽減につながる最新情報を共有してもらえます。
2-3. 住宅購入に必要な費用
住宅ローンを組む際には、さまざまな諸費用が発生します。例えば、ローン保証料や融資手数料、仲介手数料などが代表例な費用です。住宅ローン相談会では、どのような費用がかかるかに加えて、大まかな費用相場も把握できます。
住宅購入の際の頭金についても、家計状況を踏まえた上で専門家からアドバイスがもらえます。住宅購入に必要な費用を早い段階で確認しておくことで、より具体的な資金計画が立てられるでしょう。
2-4. 借入限度額
住宅ローンの借入限度額は、申込者の年収、勤続年数、年齢、そして住宅ローン以外の借入状況など、さまざまな情報から決定されます。また、住宅ローンの借入限度額は金融機関によって異なります。
実際の借入額は住宅ローン審査をしないと分かりませんが、適切な資金計画を立てるためには、自分がいくら借り入れできるのかを把握しておく必要があります。住宅ローン相談会に参加すると、専門家が相談者の情報をもとに借入限度額の大まかな金額を算定してくれるため、借入額の目安と根拠を知ることができます。
さらに、多くの住宅ローン相談会では、おおよその借入限度額を基にした返済シミュレーションも提示されます。これにより、無理なく返済できる借入額を大まかに把握できるのが魅力です。
3. 住宅ローン相談会に参加するメリット
住宅ローン相談会への参加は、住宅ローンに関する情報収集ができるだけではなく、さまざまなメリットがあります。
相談会に参加するメリットを紹介するので、参加を検討する際の参考にしてください。
3-1. お金のプロが相談に乗ってくれる
住宅ローンは、一般的に数十年もの長い間返済が続くため、慎重に検討したいと考える方が多いでしょう。実際に、住宅購入において資金問題は避けて通れないポイントです。
住宅ローン相談会では、ファイナンシャルプランナーなどのお金のプロが相談に乗ってくれます。個別相談会では、家庭の事情に沿った返済計画を教えてもらえるため、住宅購入に関する資金面の悩みも解消できます。
住宅購入の際には、ハウスメーカーや施工会社の選び方、立地、間取りといった決めるべき内容が少なくありません。住宅購入が本格化してくると、住宅ローンの検討に十分な時間が取れなくなる可能性があるため、注意が必要です。相談会を活用することで、早い段階でお金のプロにアドバイスをもらえます。
3-2. 自分の状況に合わせた返済プランを考えてくれる
住宅購入は「人生で最も高額な買い物」と表現されるほど、決断が重要な買い物です。ライフプランに大きな影響を及ぼすため、住宅購入後に後悔しないよう、長期的な視点で資金計画を立てる必要があります。
住宅ローン相談会では、自己資金や年収、ライフイベントごとに必要となるお金を踏まえながら、適切な返済プランについて相談できるのがメリットです。自分の状況に合ったプランを考えてもらえるため、資金計画における不安を解消する手助けとなるでしょう。
3-3. 自分に適した住宅ローンが分かる
住宅ローンは種類が豊富で、数多くの商品が存在するため、詳しい知識がない状態で自分に合ったローンを探し出すのは困難です。住宅ローン相談会に参加すると、住宅ローンに詳しい専門家から、自分に適したローン商品について学べます。
自己資金・年収などの情報があれば、大まかな借入限度額や最適な金利タイプについても相談できます。早い段階で自分に適したローンや借入限度額がイメージできれば、一定の価格帯に絞ってマイホームを検討できるため、住宅購入を効率的に進められるでしょう。
借り換えを検討している場合も、現在の状況を踏まえた上で、より最適な住宅ローンや返済方法についてアドバイスがもらえます。
4. 住宅ローン相談会の開催場所
住宅ローンの相談会は、さまざまな場所で開催されています。
以下では、住宅ローン相談会を開催している主な場所と、それぞれの場所における特徴を解説するので、参加を検討している方はお役立てください。
4-1. 銀行の融資窓口
金融機関には、自社で扱っている商品を対象とした住宅ローン相談窓口や、「ローンセンター」という各種ローン専門の拠点が設けられています。住宅ローン提供主である銀行のスタッフに直接質問できるため、借入額や仮審査・本審査の流れといった具体的な内容を詳しく把握できるのがメリットです。また、金利についての情報も教えてもらえます。
ただし、銀行の融資窓口では、基本的に他の金融機関で提供している住宅ローンを紹介してもらえません。気になる住宅ローンがある場合は、該当商品を提供している銀行の相談会に参加して、詳しいアドバイスをもらうのがおすすめです。
4-2. ファイナンシャルプランナーの事務所
ファイナンシャルプランナーが独立して事務所を構え、住宅ローンを含めた家計に関する相談を受け付けている場合もあります。個別の家計状況や家族構成を考慮したマネープランニングに基づき、自分に合った住宅ローンを提案してもらえるのがメリットです。
独立系ファイナンシャルプランナーに相談する場合は、第三者の中立的な意見が聞ける点も魅力です。提供元を気にせず、さまざまな住宅ローンを比較しながら、最適な商品を検討できます。
相談会は、基本的にファイナンシャルプランナーの事務所で実施されますが、出張相談に対応してもらえるケースもあります。
ただし、ファイナンシャルプランナーに相談する場合は、一般的に相談費用が必要になるため注意が必要です。費用はかかるものの、知識や経験のある専門家を選ぶことで、補助金や節税といったお得な情報も詳しく説明してもらえるでしょう。
4-3. ハウスメーカー
住宅展示場などにおいて、住宅購入を検討している方を対象に、無料の相談会を実施しているハウスメーカーも少なくありません。専門スタッフがいる会社では、気になる土地や物件の情報を聞きに行ったタイミングで、住宅ローンについて相談できる場合があります。
ハウスメーカーが実施する相談会では、家づくりや住宅購入についての情報も多く入手できるのがメリットです。また、ハウスメーカーと金融機関が提携したローンを利用すると、金利面で優遇が受けられるケースもあります。
ただし、提携ローン以外の住宅ローン商品については、詳しい説明が受けられない場合がほとんどです。複数の住宅ローンを比較検討したい方は、事前のリサーチが欠かせません。
5. 住宅ローン相談会へ行くべきタイミング
住宅ローン相談会で具体的な提案を受けるには、相談へ行くタイミングが重要です。
ここでは、住宅ローン相談会への参加に適したタイミングと、それぞれのタイミングが相応しい理由について解説します。
5-1. 住宅の購入を検討しているとき
住宅の購入を検討し始めたら、なるべく早い段階で住宅ローン相談会へ足を運ぶのがおすすめです。希望の物件が見つかったとしても、住宅ローン審査に通らなければ、購入を諦める必要が出てきます。
購入予算を含むお金の問題は、住宅取得後の人生にも関わる重要なテーマです。物件選びを始める前に、自分に適した予算を把握しておきましょう。
どのような条件でいくらの住宅ローンが組めるのかという目安は、物件探しの指標として役立ちます。また、住宅ローンの基礎知識を事前に身につけておくと、不動産会社とのやり取りにおいても冷静な判断ができるでしょう。
5-2. 購入したい物件が見つかったとき
購入したい物件が見つかったときも、住宅ローン相談会に行くべきタイミングとして挙げられます。希望物件が見つかったタイミングで相談会に行くメリットは、対象物件の購入を前提とした具体的な相談ができる点です。
購入予定物件の代金や住宅の概要に基づいて、実態に即した具体的なアドバイスが受けられます。返済計画やシミュレーションについても、より現実的な内容を把握できるでしょう。
ただし、希望の土地や物件は他の方も購入を検討している可能性があります。スピードが求められる場合もあるため、金融機関や住宅ローンについて事前に調べておくと安心です。
5-3. 住宅ローンを見直したいとき
住宅ローンを見直したいときも、住宅ローン相談会に参加するべきタイミングです。一般的に、住宅ローン返済期間は数十年と長期間にわたります。その間に、家計状況や家族を取り巻く環境が変化し、返済が困難になるケースも少なくありません。
返済に問題が発生しそうな場合は、住宅ローン相談会などを活用して早めに専門家へ相談しましょう。返済を延滞して信用情報に傷がつくと、選択できる解決策が限られてしまう恐れがあります。返済が困難になる可能性がある場合は、なるべく早い段階で家計改善に向けて行動を起こすことが重要です。
また、「金利上昇により返済負担が増えた」「付帯保険の保障内容を見直したい」といった場合も、相談会でより現状に合った住宅ローンについて相談することをおすすめします。
6. 住宅ローン相談会へ行く前に準備するべきもの
必要なものを準備して住宅ローン相談会へ向かうことで、より具体的な説明や提案を受けることが可能です。
以下では、住宅ローン相談会へ参加する際に、事前に準備するべき持ち物を紹介します。
6-1. 購入したい物件の資料
購入したい物件に関する情報が記載された資料がある場合は、相談会へ持参しましょう。具体的には、パンフレットや見積書、ハウスメーカー・不動産会社の担当者から渡された説明資料などが挙げられます。
多くの住宅ローン相談会では、主催者側が説明資料を用意してくれるため、手ぶらで参加しても有益な情報が得られます。ただし、具体的な借入限度額や返済シミュレーションを知りたい場合は、物件概要や物件価格といった情報が分かるものを準備しておくのがおすすめです。
6-2. 自分の年収が分かる書類
自分の年収は、住宅ローンを検討する上で重要な指標の1つです。相談会に年収が確認できる書類を持参すると、おおよその借入限度額を算定してもらえます。なるべく正確な借入限度額が知りたい場合は、源泉徴収票や住民税決定通知書、勤続年数が分かる書類を準備しておきましょう。
自営業の場合は、確定申告書・決算書といった書類を用意する必要があります。実際の返済額に近い金額を算定するために、単年度分だけではなく、過去数年分の確定申告と決算書を確認してもらうのがおすすめです。
6-3. 勤務先の情報が分かる書類
住宅ローン審査では、勤務先の情報が参考にされるケースもあります。収入や勤務先、職業などの項目は、「長期的に安定して返済ができるか」という返済能力の有無を判断する材料として活用されるためです。
相談会に勤務先を確認できる書類を持参すると、状況を考慮した上で、より現実的なアドバイスを受けられます。収入が分かる書類に勤務先を証明できる記載がない場合は、別途名刺や在籍証明書などを用意しておくと良いでしょう。
6-4. ローンの残債証明書
ローンの返済残高も、住宅ローン審査で返済能力を判断する際に参照される場合があります。自動車ローンや教育ローンなどを利用している場合は、ローンの残債証明書を持参しましょう。
ローン残債証明書は、対象ローンの返済残高を証明する書類です。この証明書を持参すると、ローン残高や残りの返済期間を踏まえて、客観的なアドバイスを受けられる点がメリットです。
また、住宅ローンの借り換えを検討している場合は、既に契約しているローンの返済予定表や家計簿、自宅物件に関する情報が分かる書類も持参しましょう。住宅ローン相談会で事前審査の申し込みができる場合は、身分証明書や印鑑などを準備しておくとスムーズです。
7. 住宅ローンの相談から借入までの流れ
住宅ローンの相談から借入までの流れは、下記の通りです。
1 | 相談 |
---|---|
住宅ローンの専門家に相談して、自分に合った商品を検討します。スムーズに相談できるように、事前に相談内容をまとめておくのがおすすめです。 | |
2 | 仮審査(事前審査) |
住宅ローンの目星がついて、購入したい物件が決まったら、仮審査に申し込みましょう。住宅ローンの仮審査では、本人確認書類や収入に関する書類、物件資料などの提出が必要です。通常、仮審査申し込みから1週間程度で結果が出ます。 | |
3 | 本審査 |
仮審査に通ったら、本審査に申し込みます。本審査では、住民票・印鑑証明書などの公的書類をはじめ、多くの書類が必要です。また、本審査は仮審査よりも詳しい審査が実施されるため、結果が出るまでに2週間前後かかるのが一般的です。 | |
4 | 住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結ぶ |
住宅ローンの本審査が通ったら、借入先の金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶことで、住宅ローン契約が成立します。 | |
5 | 住宅ローン実行 |
住宅ローン契約の成立後、物件の引き渡しと同時に住宅ローンが実行されます。 |
仮審査申し込みから住宅ローンが実行されるまでには、1か月程度の期間が必要です。物件が決まった段階でスムーズに仮審査へ進めるように、事前に住宅ローンの検討を進めておくのがおすすめです。
まとめ
住宅ローン相談会は、住宅購入を検討している方やローンの見直しを考えている方におすすめのイベントです。参加することで、住宅ローンの種類や仕組み、借入限度額、必要な諸費用などを専門家から直接学べます。
また、自分の状況に合ったローン商品や返済プランを具体的に提案してもらえるため、安心して資金計画を立てることが可能です。相談会を活用すれば、家計負担を軽減し、無理のない返済プランを実現するための大きな手助けとなるでしょう。
住宅ローンの相談ならお気軽にお問い合わせください。