「回遊動線」のある間取りって必要? メリット・デメリットを紹介
家づくりを考えるうえで大切になってくるのが「動線」。毎日過ごす場所だからこそ、家事をしていくなかでどこが生活動線になるのかを見極め、間取りに反映させることで、暮らしやすさも格段に変わってきます。
特に、家事にかかる時間を短縮させてくれる「家事動線」や「回遊動線」を考えることで、共働きで忙しい夫婦や、子育てでバタバタしがちなママに嬉しい間取りがつくれるはず。
そこで今回は、「回遊動線」についてご紹介していきます。新築住宅の間取りを考えている方は、ぜひチェックしてみてください!
そもそも「回遊動線」とは?
「回遊動線」とは、家のなかに行き止まりがなく、ぐるっと回れる動線のこと。キッチンや洗面所といった水回りや、玄関などに取り入れることで、家のなかをスムーズに移動することができるように! 家事や身支度をラクにしてくれる効果があることから、最近人気の間取りとなっています。
ただし、「便利そう」というだけで取り入れてしまうと、逆に不便さを感じる間取りになってしまう可能性も……。後悔のない家づくりをするためにも、回遊動線を取り入れるメリット・デメリットから見ていきましょう。
「回遊動線」を取り入れるメリット&デメリットを知っておこう!
回遊動線のある家のメリット
- 移動時にショートカットできる
- 家が広く感じられる
- 避難ルートが確保しやすい
一番のメリットは、やはり部屋から部屋への移動が早くなるということ。たとえば、キッチンからランドリールームをつなぐことで、キッチンで料理をしながら洗濯物を片づけるなんていうことができちゃいます。家事効率がよくなるので、家事に追われている人や忙しい毎日を送っている方にもピッタリです。
また、行き止まりがないことで家のなかに開放感が生まれ、広く感じられるというメリットも。閉塞感がなく、子どもたちも喜ぶ間取りになりそうです。さらに、災害など何かあったときの避難ルートが確保しやすいというのも回遊動線を取り入れるメリットの一つ。開放感があるので、常に家族の気配を感じることができ、小さな子どもを一人で遊ばせておいても安心です。
回遊動線のある家のデメリット
- 収納スペースが減る
- 無駄なスペースや通路ができる
- プライバシーを確保しづらい
デメリットの一つは、収納スペースが減ること。回遊動線をつくるうえで、本来ならば収納スペースとして活用できるスペースを通路とするため、収納棚や収納家具を置くスペースが減ってしまいます。通路に収納スペースをつくることもできますが、それによって部屋が狭くなってしまうという懸念も……。動線を考えるあまり、無駄なスペースや通路ができてしまうこともあるので注意が必要です。
さらに、メリットの一つとして挙げた通り開放的な空間ができる一方で、家族間でプライバシーの確保がしづらくなります。特に、脱衣所やウォークインクローゼットなどプライバシーを重視したい部屋に回遊動線をつくると、常に人の出入りが気になり、落ち着かない空間になってしまうこともあります。
「回遊動線」のある間取りを考えるうえでの3つのポイント
上記で挙げたメリット・デメリットを知ったうえで、「本当に回遊動線が必要なのか? 」を考えることが、快適な家づくりにおいて大切。その際にポイントとなるのが、下記の3点です。
- どんな暮らしをしたいのか
- スムーズに行き来できる広さがあるのか
- 収納したいものはどれぐらいあるのか
まずは、理想の暮らしを考えてみるのが大切です。家事の効率性を求めるのか、収納量を重視するのか、プライバシーの確保は必要なのかなど、どんな暮らしを求めるのかを決めておきましょう。それによって回遊動線のある間取りの適不適も変わってきます。
そのうえで回遊動線がほしい! というときには、家の広さも重要なポイントに。すれ違うことを考え、2人がスムーズに通れるくらいの広さ・幅が必要となります。実際の長さを測りながら通路の幅をイメージしておきましょう。
また、デメリットでも触れましたが、回遊動線を取り入れると収納スペースが減ってしまいます。収納したいものがどれくらいの量あるのか事前に確認しておくことも大切です。
家事効率を重視するのか、収納量を重視するのか、どちらを優先することで“わが家にとって快適な生活”が実現できるのかよく考えてみましょう。
「回遊動線」の必要性を考えて後悔のない家づくりをしよう
メリット・デメリットどちらもある回遊動線。事前に「どんな暮らしをしたいのか」をしっかりと考慮したうえで間取りに取り入れるようにしたいものです。
家事は毎日行わなくてはいけないもの。家族みんなの生活パターンを反映して、少しでも負担が軽くなるような間取りづくりを実現していきましょう。