暮らしやすいインテリアの決め方|デザイン・配色・必要性に注意して選ぼう
InstagramなどのSNSを見て、素敵なインテリアの写真を見ると、思わず心を奪われてしまいますよね。しかし、イメージ通りのインテリアを実現したくても、家の広さなど物理的な限界によって、購入をあきらめている人は多いかもしれません。
自分のライフスタイルに合っていて、かつ魅力的なインテリア選びを実現するためには、配色・デザイン・必要性など諸々の条件を加味して考えることが大切です。この記事では、自分や家族が暮らしやすくなるような、インテリアの決め方をご紹介します。
1.最初に考えるべきは「ライフスタイル」
自分や家族が暮らす部屋のインテリアを考える際、最初に考えたいのが「ライフスタイル」です。例えば、家族と過ごす際にダイニングテーブルを置く場合などは、小さな子どもが思わぬケガをしないよう配慮して、丸角の家具を用意した方が安心です。
夫婦で映画を見るのが好きで、プロジェクターを配置したい場合は、そもそもスクリーンやソファなどをどこに配置すべきか、テレビの置き場所はどうするかを考える必要があります。
家事の邪魔にならないよう配慮しつつ、飲み物・スナックを置けるよう、サイドテーブルをソファのそばに配置してもよいでしょう。
休日に音楽を聴いて過ごすのが好きなら、寝転べる大きさのソファを置いた方が落ち着くかもしれません。中高生の子どもが楽器を触るようなら、周囲の住宅に配慮して、部屋の防音にも配慮が求められます。
このように、インテリアを決める際は、住む人のライフスタイルに応じた配慮が大切です。
2.一般的なインテリアデザインについて理解する
インテリアの決め方についてリサーチする場合、手本となるインテリアデザインについて知っておくと、自分が居心地良く感じる好みの雰囲気が見えやすくなります。以下、主な系統をいくつかご紹介します。
ナチュラル系
ナチュラル系は、自然由来の色味・質感を活かし、居心地の良い空間を演出する系統のデザインです。具体的には、ホワイト・ベージュ・グレー・薄青といった淡い色合いが中心の北欧ナチュラル、シンプルな和素材を用いた和風テイストなどが該当します。
カジュアル系
カジュアル系は、比較的ポップで、コントラストがはっきりしている色をアクセントに使う系統のデザインです。総じて雰囲気が明るくなるため、家に帰ったら明るい気持ちになりたい人や、子どもと一緒に暮らすファミリー層などに支持される傾向にあります。
シック系
シック系は、大人っぽい落ち着きのある空間を目指す系統のデザインで、装飾的な要素を省いたミニマルなデザインの家具を活用するのが特徴です。モノトーンなら上品なイメージに仕上がりやすく、薄青・パープルの家具を加えるスタイルも大人っぽさがあり人気です。
ヴィンテージ系
ヴィンテージ系は、いわゆるヴィンテージ系インテリアを配置したり、アメリカ西海岸・韓国など他国で用いられるデザインを取り入れたりする系統のデザインです。明るめの色に自然素材を取り入れることで、抜け感・都会っぽさを演出できるメリットがあります。
エレガンス系
エレガンス系は、全体的にクラシカルで、女性らしい上品かつ優雅な雰囲気が特徴のデザインです。猫足の家具やフリルが可愛いレース、ラメが光るカーテンなど、ロイヤルファミリーの邸宅のようなイメージです。
アジア系
アジア系は、例えばバリ島のリゾートを連想するような、非日常感・開放感のある自然な印象のデザインです。ラタン・バンブー・石材など自然を感じさせる素材を使ったアイテムを取り入れつつ、生活感が見えない洗練されたレイアウトにすることで、のびのびとバカンスを満喫するような雰囲気を演出します。
3.インテリアの決め方で重要な配色
インテリアは自分の好きな色だけ、ちょっといいと思った雑貨は何でも置くなど、配色を考えずに混ぜてしまうと様々な色が混じりあい、どこか落ち着かない家・部屋が出来上がってしまう恐れがあります。
上手にまとめるには、次にご紹介するルールで配色を決めると、部屋のイメージ作りに役立ちます。
1部屋における色の数は3色まで
たくさんの色が見える部屋は、雑然とした印象を与えるため、1部屋における色の数は最大でも3色にとどめるようにしましょう。床や壁・天井は部屋の70%を占める部分なので、それらの色合いに逆らわないインテリアを選ぶのが無難です。
大きい家具はメリハリ作りに活用
ソファ・テーブル・収納家具といった大きい家具は、部屋全体の雰囲気を作る上で重要です。床や壁・天井の色とまったく同じ色を選ぶと、殺風景になる恐れがあるため、あえて逆の色合いを選びコントラストを意識するとメリハリをつけられます。
逆に、全体的に薄い色でまとめると、床・壁・天井との境界線があいまいになり、開放感がアップします。
小物はアクセントに
小物を選ぶ際は、部屋のアクセントとして活用したいところです。例えば、全体的に部屋の中がぼんやりした印象になってしまった場合は、クッションなどの小物を強めの色にしてみましょう。
大きい家具とのコントラストを重視するなら、床・壁・天井と同じ色で統一するのも良い方法です。ただし、あまり深く考えないで小物を選んでしまうと、部屋の中の色が増えてしまうので注意しましょう。
4.本当にそのインテリアでよいのか必要性を検討する
素晴らしいインテリアを見つけたとしても、配置してから使いにくさを感じて困ってしまうケースは珍しくありません。インテリアを選ぶ際は、本当にそれが必要なものかどうか、十分に検討することが大切です。
床はできるだけ広く使えるようにする
自宅に配置するインテリアを決める際は、部屋の床を「できるだけ広く使う」ことを意識しましょう。例えば、多くの人がモデルルームを見て素敵だと感じるのは、モノが少なく生活感がないことが大きな理由の1つです。。
収納力に注意する
インテリア選びにおいて、散らかりにくい部屋を作ることは重要なポイントになるため、収納力は十分に確保しましょう。仮に、現在持っている持ち物をすべて収納した場合でも、ゆとりを持たせられるようなサイズ感が理想です。
どうしても気に入った色合い・デザインの家具を取り入れたい場合は、購入前に手放せるものはないかどうか確認しておきましょう。すでに持っている家具の中で、自分の理想とする部屋の雰囲気に合わないものがあった場合、思い切って手放すのも一手かもしれません。
動線を意識する
過剰に家具を配置してしまうと、住人の移動が妨げられるため、生活動線を意識して家具を厳選しましょう。あらかじめ住宅・部屋に収納が用意されているなら、それらを最大限活かしつつ、必要な家具を厳選したいところです。
既存の家具が合わない場合は思い切って手放す
今の家具が理想のインテリアに合わない場合は、思い切って手放す覚悟も必要です。特にソファやテーブル、チェストなど大きな家具ほど部屋の印象を大きく左右します。反対に言えば、それを差し替えれば理想のイメージに大きく近づけるということです。買った時のお値段も愛着も気になると思いますが、きっとその分の成果が得られるでしょう。
5.まとめ
インテリアを用意する際は、普段の生活や周囲に配慮して、自分たちのライフスタイルにマッチする家具を選ぶことが大切です。どんなインテリアを配置すべきか、具体的なイメージがわかない場合は、一般的なインテリアデザインを参考にするとよいでしょう。
配色に関しては「1部屋に3色まで」という原則を守りつつ、床・壁・天井・大きい家具・小物とのバランスを考えながら決めていくと、雑然とした部屋になるのを防げます。モノが多いと感じたら、自分のイメージに合わない家具を手放すことも検討しましょう。
執筆者 岩野 愛弓
インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/照明コンサルタント
注文住宅会社で15年以上インテリアデザインやコーディネート業務に従事。現在はフリーランスとして、個人・法人のオーダーメイドな造作家具の基本デザインや自然素材を扱う住空間づくりに携わる。素材感や雰囲気があるもの、ディティールがしっかりと造られているもの、カタチがよいものに惹かれ、インテリアアイテムをご提案するときは国内、海外問わず情報収集し、コストパフォーマンスも重視している。住まいに関するコラムライターとしても活動中。