分譲住宅を購入する際の注意点~購入の流れや資金計画についても解説~
分譲住宅は注文住宅よりも費用が安い、入居までのスケジュールが立てやすいといった点で人気があります。しかし、実際に購入する際には抑えておきたい注意点も存在します。
一生に一度の高額な買いものなので、分譲住宅ならではの注意点を理解して、失敗するリスクを減らすことが大切でしょう。
そこで今回は、分譲住宅を購入する際に知っておきたい注意点や、申し込みから引き渡しまでの流れ、購入見据えた資金計画の立て方を解説します。
分譲住宅を購入する際の注意点
ここでは、分譲住宅を購入する際に、特に注意したいポイントを解説します。
住宅購入の優先順位をはっきりさせる
分譲住宅を購入する際は、物件探しの優先順位を決めておくことが大切です。立地条件や間取り・値段・土地の広さなど、事前に家族全員で話し合い認識を一致させておきましょう。 住宅探しでは、「すべてが自分の理想通り」という家はなかなか見つかりません。妥協できる部分と妥協できない部分を決めておかないと、物件を決めきれずに時間を浪費することになるかもしれません。
周辺の環境をリサーチしておく
分譲住宅は一度購入してしまうと気軽に引っ越しができないため、建物だけでなく周辺環境のリサーチも欠かさないようにしましょう。自宅周辺や子どもの通学路に危険はないかの確認はもちろんのこと、スーパーやドラッグストアなど生活用品を購入できる店が近くにあるかも重要なポイントです。 周辺環境をリサーチするには、休日と平日、昼間と夜間など複数のタイミングで調査しましょう。いろいろな時間に訪れることで、住民の行動や交通量・暗くて危険な場所などをより深く把握できます。
購入価格に含まれる要素を確認する
分譲住宅を購入する際は、住宅の価格だけではなく購入価格に含まれる要素を確認することが大切です。
例えば、カーテンレールや網戸、エアコンスリーブなどがオプション扱いとなっている場合もあります。また、外構工事費用が含まれていないケースもあるようです。住宅の価格だけをみて購入すると、打ち合わせを進めていく中で思わぬ出費が発生することがあるため注意が必要です。 また、住宅購入後に問題が発覚した場合どこまでを無償修理してくれるのかなど、購入後のサポートについても確認しておきましょう。
分譲住宅の諸費用について|購入前に発生する手付金など詳しく解説
内覧の際は細かい部分までチェックする
内覧の際は実際に住んだときをイメージして細かい部分までチェックしましょう。使用頻度が高いドアや窓は特に入念にチェックする必要があります。
キッチンや浴室・洗面台などの水回りは、設備グレードにより質が大きく変わる部分です。満足できるレベルの設備が取り付けられているか、使い勝手に問題はないかなどをチェックしましょう。 また、知識がないと見落としがちですが、点検口がしっかりと取り付けられているかも確認が必要です。住宅を購入すると長期間住むことになるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。点検口があれば天井や床下などの配管・配線の確認が容易になります。
分譲住宅の間取りや選び方のポイント|後悔しないための注意点も解説
物件の引き渡し時期を確認する
物件の引き渡し時期を確認しておくことも大切です。いつ引き渡しできるかがわかれば、それに向けて引っ越しなどの段取りをすることができます。
また、分譲住宅はすべて完成してから引き渡すのが一般的ですが、一部の設備が取り付けられていないなど未完成で引き渡されるケースもあるようです。 引き渡しを済ませた途端に住宅メーカーの態度が悪くなる、設備が取り付けられる前に倒産して未完成のままになる、などのリスクがあるため、未完成状態での引き渡しを受けないようにしましょう。
立会検査をしっかりと行う
住宅引き渡し時の立会検査をしっかりと行うようにしましょう。立会検査とは、設備の使い方の説明や施工に不備はないかなどを確認することです。立会検査で傷や不具合などが発見されたら、当該箇所を修理してから引き渡しとなります。
立会検査までは建物の傷や不具合は住宅メーカー側に責任がありますが、引き渡し後の管理は施主の責任となるため、補修箇所が発見されても対応してくれないケースもあります。 立会検査前にはチェックポイントを予習して、住宅に問題がないか詳しく確認しましょう。知識がなくて不安であれば、5~10万円ほど費用がかかりますが、専門家に立ち会いへの同行を依頼することもできます。
分譲住宅購入の流れ【申し込みから引き渡しまで】
ここでは、分譲住宅の購入をイメージしやすいように、申し込みから引き渡しまでの流れを解説します。
住宅ローン事前審査に申し込む
住宅を現金一括で購入するのでなければ、一般的に住宅ローンを利用します。事前審査では、申込者が住宅ローンを利用できるか判断されます。審査には2~3週間ほどかかるため、購入したい住宅が見つかったら早めに申し込みをするといいでしょう。
購入の申し込みをする
希望の物件を見つけたら不動産会社に購入の申し込みをします。不動産会社から申込用紙を渡されるため、希望の条件などを記載し、署名押印したら申し込みは完了です。近年ではデジタルで契約のやり取りをするケースも増えています。
申込証拠金として数万円~10万円ほどが必要となる場合もあるので、用意しておくと安心です。
手付金を支払う
不動産の売買契約を締結する際には手付金を支払う必要があります。建売住宅では契約価格の5~10%ほどが手付金の相場です。手付金は最終的に売買代金の一部に充当されます。
重要事項説明書と売買契約書を確認する
手付金を支払った後は「重要事項説明書」と「売買契約書」を確認します。
重要事項説明書は、買主が不利益を受けることがないように、物件の現況や法令等による制限などが記載されています。売買契約書は、取引の対象となる不動産を、記載された金額で買主が買い受けることを記載した契約書です。
書類の内容については不動産会社の担当者が詳しく説明してくれますが、書類を送ってもらうなどして事前に目を通しておくといいでしょう。
物件の引き渡しを行う
ここまでの流れが滞りなく進み、立会検査も完了したら、いよいよ分譲住宅が引き渡されます。引き渡しの手続きは、一般的に銀行などの金融機関の一室を借りて行われます。引き渡し証や建築確認申請書など多くの書類に署名押印するので、ここでもチェック漏れがないようにしてください。 引き渡しの処理が完了したら、買主の任意のタイミングで引っ越しが可能になります。ただし、引き渡しの遅れなど予定変更が発生する可能性があるため、余裕をもったスケジュールにしておきましょう。
分譲住宅を購入するなら適切な資金計画も大切
分譲住宅を購入する際には、出産や転職などのライフプランも考慮して、入念な資金計画を立てることが大切です。
住宅ローンの借入額は年収の5倍が目安とされていましたが、近年では超低金利の影響で年収の6~7倍を借り入れるケースもあります。しかし、世界的に低金利は終了する流れにあるため、今後の返済負担率も考慮して余裕を持った返済ができるようにしましょう。
分譲住宅を購入する際には、手付金や印紙税、登記費用などの諸費用が発生します。分譲住宅の場合、諸費用は購入価格の6~9%ほどとされていて、基本的に現金で支払う必要があります。 また、分譲住宅に住み始めた後は、5~10年ごとに外壁などの修繕や内部のリフォームが必要です。昇給や出産・育児などにより働けない期間などを考慮して資金計画を立てる必要があるため、不安であればファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するといいでしょう。
分譲住宅とは?分譲住宅が安い理由や価格を抑える方法と注意点を紹介
まとめ
分譲住宅を購入する際は失敗をなくすために、物件探しの優先順位をつけた上で、内覧や現地を訪れてのリサーチなどで入念に調査をすることが大切です。
分譲住宅は申し込みから引き渡しまで、さまざまな手続きがあります。途中で手続きが滞ってしまうと、その後のスケジュールが全て遅れる可能性もあるため、全体の流れを把握して漏れなく進めることが重要です。 住み始めた後も安心して暮らしていくために、修繕やリフォームなどの費用も考慮して、余裕がある資金計画を立ててください。