建売住宅を購入する際の注意点|購入の流れ・資金計画も解説
建売住宅は注文住宅よりも費用が安い、入居までのスケジュールが立てやすいといった点で人気があります。しかし、実際に購入する際には抑えておきたい注意点も存在します。
住宅は一生に一度の高額な買いものなので、建売住宅ならではの注意点を理解して、失敗するリスクを減らすことが大切です。当記事では、建売住宅を購入する際に知っておきたい注意点や、申し込みから引き渡しまでの流れ、購入を見据えた資金計画の立て方を解説します。
1.建売住宅を購入する際の注意点
建売住宅を購入する際は、価格や立地だけでなく建物の品質や保証内容まで総合的に確認することが大切です。
建売住宅は完成済みの物件が多く、購入後すぐに入居できる点が魅力ですが、間取りや仕様が決まっているため後から変更しにくい特徴があります。そのため、見た目や価格の安さだけで判断すると、住み始めてから不便さや追加費用が発生する可能性があります。
納得のいく住宅購入を実現するためには、事前に確認すべきポイントを整理しておきましょう。ここでは、建売住宅を購入する際に押さえておきたい具体的な注意点を解説します。
1-1.希望条件の優先順位を整理する
建売住宅を購入する際は、物件探しの優先順位を決めておくことが大切です。立地条件や間取り・値段・土地の広さなど、事前に家族全員で話し合い認識を一致させておきましょう。
住宅探しでは、「すべてが自分の理想通り」という家はなかなか見つかりません。妥協できる部分と妥協できない部分を決めておかないと、物件を決めきれずに時間を浪費することになってしまうため注意が必要です。
1-2.周辺環境は曜日や時間帯を変えて確認する
周辺環境は、平日・休日、昼・夜など条件を変えて確認することが大切です。交通量や騒音、治安、日当たりなどは購入後に変えにくい要素です。昼間は静かでも、通勤時間帯は車通りが多い場合や、夜になると街灯が少なく不安を感じる場合があります。
実際に最寄り駅やバス停まで歩き、スーパー、病院、学校、公園などの使いやすさも確認しましょう。将来の家族構成や通勤・通学を想定し、毎日の暮らしに合う立地か見極めることが大切です。
1-3.購入価格の内訳と追加費用を確認する
建売住宅は、表示価格だけで判断せず総額で確認しましょう。広告に記載された価格には、土地代や建物代が含まれていても、仲介手数料、登記費用、住宅ローン関連費用、火災保険料などの諸費用が別途必要になる場合があります。さらに、カーテンレール、テレビアンテナ、エアコンなどがオプション扱いになるケースもあります。
標準仕様に含まれる設備と追加費用が発生する設備は、事前に分けて確認しましょう。見積書で付帯工事費やオプション費用まで把握すれば、予算オーバーや想定外の出費を防ぎやすくなります。
1-4.間取り・内装・設備は内覧で細かく確認する
内覧では、見た目の印象だけでなく実際の暮らしやすさを確認することが大切です。
建売住宅は間取りや内装、設備がすでに決まっているケースが多いので、家具を置いた状態を想像しながら、リビングからキッチン、洗面所までの生活動線や、各部屋の広さを確認しましょう。
収納量、コンセントの位置と数、水回りの使いやすさ、扉や窓の開閉のしやすさも大切です。毎日使う場所ほど小さな不便が積み重なりやすいため、家族の生活スタイルに合うかを具体的に見極めましょう。
1-5.点検口・地盤・住宅性能を確認する
建売住宅では、完成後に見えにくい品質面を資料や構造から確認することが大切です。
完成済みの建売住宅は、基礎や壁の内部、床下、天井裏などを購入者が直接確認しにくい場合があります。そのため、地盤調査報告書の有無や、床下・天井裏の点検口が設けられているかを確認しましょう。
住宅性能評価書がある物件では、耐震性や劣化対策、省エネルギー性などを客観的に把握しやすくなります。見た目だけでは分からない部分を確認することで、購入後の維持管理や長期的な安心につながります。
1-6.保証やアフターサービスの内容を確認する
保証やアフターサービスは、購入後の安心感を左右する重要な確認項目です。
新築住宅では、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、10年間の瑕疵担保責任が法律で定められています。ただし、設備の不具合や軽微な補修、定期点検の内容は販売会社や施工会社によって異なります。
契約前に、保証期間、保証対象、無償対応の範囲、定期点検の有無、問い合わせ窓口を確認しましょう。価格や立地が魅力的でも、購入後の対応体制が不十分だと不安が残るため、書面で確認しておくことが大切です。
1-7.未完成の状態で引き渡しを受けない
引き渡しは、建物や設備が完成し、必要な補修が終わった状態で受けることが大切です。
未完成のまま引き渡しを受けると、入居後に工事が続いて生活に支障が出る可能性があります。さらに、支払い後に補修対応が遅れたり、仕上がりが契約内容と異なったりするトラブルにもつながりかねません。
外構、内装、設備、建具、給排水などが契約通りに完成しているかを確認しましょう。やむを得ず残工事がある場合は、工事内容、完了予定日、対応責任者を必ず書面で残しましょう。
1-8.引き渡し前は立会検査をしっかりと行う
立会検査は、引き渡し前に傷や不具合を確認できる大切な機会です。
建売住宅の立会検査では、床や壁の傷、クロスの汚れ、建具の開閉、窓サッシ、水回り、外壁、外構などを細かく確認します。床下や天井裏の点検口がある場合は、見える範囲で内部の状態も確認しましょう。
気になる点は写真を撮り、補修箇所をリスト化して販売会社へ伝えることが大切です。補修の有無、対応時期、再確認の方法まで決めておくと、入居後のトラブルを防ぎやすくなります。
2.建売住宅購入の流れ
ここでは、建売住宅の購入をイメージしやすいように、申し込みから引き渡しまでの流れを解説します。
2-1.補助金・減税などのサポート制度の活用を検討する
住宅購入の手続きを始める際は、補助金や減税などのサポート制度を活用できるか早めに確認しましょう。
国や自治体では、住宅ローン減税や省エネ住宅向けの補助金など、住宅購入を支援する制度を設けている場合があります。ただし、対象となる住宅性能、入居時期、所得、床面積、申請期限などの条件を満たさなければ利用できません。
建売住宅を購入する場合も、長期優良住宅やZEH水準住宅などに該当するかで使える制度が変わる可能性があります。購入手続きの初期段階で自分の状況と制度の条件を照らし合わせ、販売会社や自治体に確認しておくことが大切です。
2-2.住宅ローン事前審査に申し込む
住宅を現金一括で購入するのでなければ、一般的に住宅ローンを利用します。事前審査では、申込者が住宅ローンを利用できるか判断されます。審査には1週間ほどかかるため、購入したい住宅が見つかったら早めに申し込みを進めましょう。
2-3.購入の申し込みをする
希望の物件を見つけたら不動産会社に購入の申し込みをします。不動産会社から申込用紙を渡されるため、希望の条件などを記載し、署名押印したら申し込みは完了です。近年ではデジタルで契約のやり取りをするケースも増えています。
申込証拠金として数万円~10万円ほどが必要となる場合もあるので、用意しておくと安心です。
2-4.手付金を支払う
不動産の売買契約を締結する際には手付金を支払う必要があります。建売住宅では契約価格の5~10%ほどが手付金の相場です。手付金は最終的に売買代金の一部に充当されます。
2-5.重要事項説明書と売買契約書を確認する
契約前には、重要事項説明書と売買契約書を十分に確認し、不明点を残さないことが大切です。
重要事項説明書には、物件の権利関係、法令上の制限、道路との関係、インフラ状況などが記載されます。売買契約書には、売買代金、手付金、支払い時期、引き渡し時期、契約不適合責任、保証内容などが記載されるため、後のトラブルを防ぐ上で大切です。
特に、未完成物件の支払い条件、引き渡しが遅れた場合の対応、補修や保証の範囲は慎重に確認しましょう。専門用語が分からない場合はその場で質問し、納得してから契約に進む必要があります。
2-6.物件の引き渡しを行う
ここまでの流れが滞りなく進み、立会検査も完了したら、いよいよ建売住宅が引き渡されます。
引き渡しの手続きは、一般的に銀行などの金融機関の一室を借りて行われます。引き渡し証や建築確認申請書など多くの書類に署名押印するので、ここでもチェック漏れがないようにしてください。
引き渡しの処理が完了したら、買主の任意のタイミングで引っ越しが可能になります。ただし、引き渡しの遅れなど予定変更が発生する可能性があるため、余裕をもったスケジュールにしておきましょう。
3.建売住宅を購入するなら適切な資金計画も大切
建売住宅を購入する際は、購入時の支払いだけでなく入居後の支出まで見据えた資金計画が必要です。
住宅は物件価格や住宅ローンに目が向きがちですが、実際には諸費用や引っ越し費用、入居後の維持費なども継続的に発生します。資金計画が不十分なまま購入すると、生活費を圧迫し、長期的な負担につながる可能性があります。
安心して住み続けるためには、無理のない返済額を設定し、将来の支出も含めて総合的に判断することが大切です。ここでは、建売住宅購入における資金計画のポイントを具体的に解説します。
3-1.無理のない返済計画を立てる
住宅ローンは借りられる額ではなく、無理なく返し続けられる額を基準に考えましょう。
金融機関は年収に応じて借入可能額を提示しますが、上限いっぱいまで借りると家計の余裕がなくなる可能性があります。一般的に、年間返済額は年収の20~25%程度に抑えると、生活費や貯蓄とのバランスが取りやすいとされています。
さらに、教育費や老後資金など将来の支出増加も見据えておく必要があります。住宅ローンには固定金利と変動金利があり、将来の金利変動によって返済額が変わる点にも注意しましょう。シミュレーションを活用し、余裕を持った返済計画を立てることがポイントです。
3-2.諸費用や入居後の支出も見込んでおく
住宅購入では、物件価格以外の費用や入居後の支出も含めて検討することが大切です。
購入時には、仲介手数料や登記費用、住宅ローン関連費用、火災保険料などの諸費用が発生し、一般的に物件価格の約6~10%程度が目安とされています。また、引っ越し費用や家具・家電の購入費、カーテンやエアコンの設置費用も必要です。
入居後も固定資産税や修繕費、光熱費などが継続的にかかります。購入できる金額ではなく、長期的に無理なく住み続けられる金額かどうかを基準に判断しましょう。
まとめ
建売住宅を購入する際は失敗をなくすために、物件探しの優先順位をつけた上で、内覧や現地を訪れてのリサーチなどで入念に調査をすることが大切です。
建売住宅は申し込みから引き渡しまで、さまざまな手続きがあります。途中で手続きが滞ってしまうと、その後のスケジュールがすべて遅れる可能性もあるため、全体の流れを把握して漏れなく進めることが大切です。 住み始めた後も安心して暮らしていくために、修繕やリフォームなどの費用も考慮して、余裕がある資金計画を立てましょう。
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