ハウスメーカーのローコスト住宅とその秘密について解説
いま、ローコスト住宅が注目されています。
必要なものだけを適正な価格で、というローコスト住宅がこれからもっと広く普及していくと思われます。
予算のことを考えると、ローコスト住宅も気になるけれど、他の住宅との違いはないの? などなど、ローコスト住宅が気になっているからこそ知りたい情報は多いはず!
そこで、なぜ住宅をローコストで建てることができるのか? ハウスメーカーのローコスト戦略の秘密を探ってみたいと思います!
今回は、「それを実現するには『予算が足りない』と、他のハウスメーカーでは断られたが、同じ予算内で希望の設計が実現できた」という施主経験者の話をよく聞くアイダ設計について紹介します。
ローコストで住宅を建築するためには、何かしらのコストを省く必要があるはず。アイダ設計では、どのようにコストカットしているのでしょうか?
1.プレカット工場によって、コストダウン
アイダ設計では、2000年に初めて千葉県にプレカット工場を設立。2019年には、茨城県に大規模なプレカット工場を開設し、現在は、埼玉工場と茨城工場の二つの工場でプレカットに対応しています。
プレカットとは、建築現場で建築資材である木材を加工するのではなく、あらかじめ工場の加工機によって木材を加工すること。
アイダ設計では、このプレカット工場での加工によって、建築現場での負担を減らすと共に、加工スピードの向上と運搬・整理の効率化。この工場で加工したものをそのまま自社で使うことによって中間コストを省くなど、コストダウンを実現しているようです。
現在は、月産約10,000坪の加工が可能(公式サイトより)となっているそうで、アイダ設計の自社物件だけでなく、他ハウスメーカーや工務店向けの戸建て住宅・非住宅物件のプレカット加工も受注しています。
こうした自社物件以外に向けた資材加工ビジネスの存在も、コストダウンに貢献しているのかもしれません。
2.自社一貫体制によって、コストダウン
調べてみて意外な発見! だと思ったのは、アイダ設計が「自社一貫体制をモットーにしている」ということ。土地の仕入れや調査から設計、施工、アフターサービスまで完結させる態勢を備えているのだそうです。
そのために欠かせないのが、先にご紹介したプレカット工場の存在なのだとか。
下請けに業務を外注することでコストダウンを実現しているのかも……なんて想像したりもしていたので、意外でした。
確かに、自社内で一貫体制で完結すれば余計なコストは発生しませんし、効率化や品質管理もより的確にできそうです。
品質管理といえば、アイダ設計では工場直結のCADセンターで、一棟一棟構造のチェックを行い、設計上でプレカット加工の精度を管理しているとか。これにより、施主一人ひとりの要望実現と安全性を両立しながら、コストダウンも実現しているのですね。
3.プレカット加工機によって、特殊な加工にも対応
プレカット工場での最新加工機の導入によって、これまでの木造軸組み工法(在来工法)に加え、金物軸組工法も取り入れることが可能になりました。
木造軸組工法では、木材をホゾとホゾ穴で接合することが一般的なのに対し、金物軸組工法は、木材の接合部に金具を使用することで地震などによる縦と横の荷重に対し、より強い構造を可能にするといわれています。
これら二つの工法を組み合わせることにより、比較的大きな木造の空間の実現が可能となり、一般住宅でも、柱のないガレージや広いリビングなどの設計で用いられるのだそう。
コストダウンだけでなく、こうした技術も、施主の要望に幅広く応えることを可能にしている要因の一つなのかもしれません。
アイダ設計は、ローコスト住宅をどのように実現しているのか? その秘密を探ってみました。そうして、見えてきたのは真摯に無駄を省き、効率化・品質向上をしようとする企業の姿勢でした。
“予算に応じて希望が叶うハウスメーカー”として、印象アップしちゃったのですが、みなさんはいかがでしょう?
なお、2019年10月に完成し稼働開始した茨城工場は一般参加が可能な見学会(完全予約制)を実施していましたが、残念ながら現在は、コロナ禍の影響で中止となっています。今後、再開の可能性もあるかと思いますので、気になる方は動向をチェックしてみてくださいね。