売建住宅と建売住宅の違いは?それぞれに向いている人の特徴も解説
日本でマイホームの購入や建築を検討する際、戸建て住宅には「売建住宅」「建売住宅」「注文住宅」という3つの主な選択肢があります。「売建住宅」「建売住宅」「注文住宅」はそれぞれ、購入のタイミングや間取りの自由度、予算などにおいて異なる特徴を持ちます。
特に売建住宅は、ある程度間取りの自由度があり、コストも注文住宅ほどはかからない建て方ではあるものの、建築施工会社が指定されており、建築条件が加えられることが一般的です。
当記事では、各住宅形態の概要やメリット・デメリット、それぞれの住宅形態に向いている人の特徴を詳しく解説します。自分や家族のライフスタイルやニーズに合った住宅を選ぶために、それぞれの違いを正しく理解しましょう。
目次
1. 売建住宅・建売住宅・注文住宅の違い
戸建て住宅には、大きく分けて売建住宅・建売住宅・注文住宅の3種類があります。それぞれ、どの段階で住宅や土地を購入するかタイミングが異なっており、予算や間取りの自由度などに関わります。
ここでは、それぞれの住宅の違いを詳しく解説します。
1-1. 売建住宅とは
売建住宅とは、住宅会社などが販売している土地を購入した後に新築住宅を建てる形式の住宅です。土地を購入する際に建築施工会社が指定されているのが一般的なため、購入者は自由にハウスメーカーや設計事務所を選ぶことはできません。このような土地を「建築条件付き土地」と呼び、その上に建てられる住宅を「売建住宅」と言います。
間取りや仕様の選択肢が用意されており、ある程度自由に家を建てることが可能です。ただし、施工会社の得意・不得意とする間取りや建築方法があったり、建築条件が課されたりすることが一般的なので、制限のない自由な設計ができるわけではありません。
指定された建築施工会社で理想の住まいづくりができず、どうしても別のハウスメーカーを希望する場合は、追加費用を払うことで条件を外してもらえる場合もあります。
1-2. 建売住宅とは
建売住宅とは、すでに土地と建物がセットで販売されている住宅のことです。建築会社が土地に建物を建て、完成後に販売される形態が一般的です。
建物はすでに完成しているため、購入者は現地での内見や見学を通して住まいの実際の状態を確認できます。ただし、すでに建てられている建物を購入するので、売建住宅や注文住宅に比べると間取りや設備の変更が難しく、自由度は制限されます。
1-3. 注文住宅とは
注文住宅は、依頼者の希望を反映させた「オーダーメイド」の家づくりが可能な住宅で、間取りやデザインの自由度が高い点が最大の魅力です。建築において法的な制約や技術的な問題がない限り、共働き世帯や二世帯住宅、子育て世帯など、さまざまなライフスタイルに合わせた住宅を建てられます。家事動線に配慮した間取りや、パントリーやシューズクローゼットなどの収納スペースを多く設けるなど、細かな要望に応じて理想の暮らしを実現できます。
また、注文住宅は家が完成するまでの過程を自分の目で確認できるため、完成する家への愛着が湧きやすい点も魅力です。住宅ができる過程を確認することで、欠陥住宅や手抜き工事に対する不安も軽減できます。
自由度が高い分、建築にかかる費用は高くなりやすい傾向にありますが、限られた予算内でこだわりたい部分に優先順位をつけるといった柔軟な選択も可能です。
2. 売建住宅が販売される理由
不動産会社が売建住宅を販売する理由は、購入者のニーズに対応しやすいことや、販売開始までの準備期間の有効活用、または建築会社の意図など、複数あります。
- 購入者のニーズに対応するため
建売住宅と比べると、売建住宅は建築条件内である程度自由な設計を行えるので、間取りやデザインにこだわりたい購入者にとって魅力的な選択肢です。「既成の建物が希望に合わない」といった問題が起こりにくく、購入者からの需要が見込まれやすくなります。 - 販売開始までの準備期間の有効活用
建売住宅として住宅を販売するには、自治体から「建築確認済証」の取得が必要ですが、申請に一定の時間がかかるケースもあります。先に建築条件付き土地として販売することで、プロモーションを早めに始められ、購入者を集めやすくなります。
ただし、売建住宅が必ずしも売れやすいわけではありません。土地と図面だけでは完成後の住宅イメージを持ちにくい人も多く、建売住宅のほうが好ましいという方もいます。不動産会社は最終的に売れ行き次第で建物を建て、建売住宅としての販売に切り替えることもあります。
3. 戸建て住宅はどのように選べばよい?
売建住宅・建売住宅・注文住宅には、それぞれ異なった特徴があります。どの形式で家を建てるとよいかは、家づくりで何を重視するかによって変動します。
ここでは、それぞれの建て方・購入方法に向いている人の特徴について解説するので、戸建て住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。
3-1. 売建住宅が向いている人
売建住宅は、間取りやデザインにある程度のこだわりを持ちながらも、コストは抑えたいという人に向いています。建築条件付き土地のため、施工会社が指定される制約はありますが、間取りはある程度は自由に決められるため、そこまで間取りにこだわりのない方には気にならないでしょう。
また、注文住宅よりも家を建てるまでの期間が短い点もメリットです。すでに住宅が建てられている建売住宅よりは時間がかかりますが、注文住宅のように1から間取りや設備を決めていく手間はかかりません。
売建住宅は、建売住宅と注文住宅のよい点を合わせもった建て方です。コストパフォーマンスを重視しつつ、個別の希望を反映した家に住みたいと考える人にとって、バランスの良い選択肢と言えます。
3‐2. 建売住宅が向いている人
建売住宅は、できるだけ早く家を購入し引っ越しを済ませたい方や、価格重視で住宅を購入したい方に適しています。すでに完成しているため購入後すぐに入居できる建売住宅は、仕事や家庭の都合で早期の入居を希望する共働きの家庭などにぴったりです。
また、完成済みの住宅を見て購入を決められるため、具体的なイメージが湧きやすく、間取りやデザインを決定する手間がかからないことも利点です。価格設定も比較的リーズナブルで、予算の範囲内で購入できることから、住宅購入にかける資金を抑えたい人にとっても建売住宅は優れた選択肢です。
3-3. 注文住宅が向いている人
注文住宅は、間取りやデザインにこだわりがあり、自分の理想を実現したいと考える人に向いています。特に「オーダーメイド」の家を希望する場合や、独自のライフスタイルや生活のこだわりを家づくりに反映したい人にとって最適です。
注文住宅であれば、「二世帯住宅を作る」「趣味の部屋を作る」「収納スペースを充実させる」など、ライフスタイルに合わせた細かな要望を叶えられます。間取り作りにこだわることで、長期的に満足度の高い家を建てられます。
ただし、打ち合わせや建築には時間がかかるため、建築にじっくりと時間をかけることができる人、多少コストが高くなっても理想の家を実現したいという方に向いている住宅スタイルです。
まとめ
戸建て住宅を選ぶ際、「売建住宅」「建売住宅」「注文住宅」それぞれが持つ特徴やメリット・デメリットを理解することが大切です。自分や家族のライフスタイル、予算、重視するポイントを考慮し、最適な住宅形態を選びましょう。
売建住宅は間取りやデザインにある程度の自由度がありつつ、コストも抑えられるバランスの良い選択肢です。一般的には、建築条件がつけられる場合も多いものの、アイダ設計の「土地+自由設計注文住宅」であれば、分譲地の建築条件なしの土地に自由な建物仕様・間取りで建てられます。より自由に理想の戸建て住宅を建てたい方は、ぜひ一度アイダ設計までご相談ください。