戸建てとは?戸建て・集合住宅のメリット・デメリットを比較
マイホームの購入を考えている方の中には、戸建てか、もしくはアパートやマンションなどの集合住宅か、どちらを選べばよいのか悩んでいるという方も多いでしょう。また戸建ての中にも、注文住宅や建売住宅などの種類があり、それぞれにどのような違いがあるのか分からない方もいるかもしれません。
当記事では、戸建てとはどのような家を指すのかについて、種類別に詳しく解説します。これから家の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.戸建てとは?大きく分けて3種類ある
戸建て(一戸建て)とは、独立した一棟の住宅を指します。一世帯で住む家を一戸建てとする考え方もありますが、親と子の世代が一緒に住む二世帯住宅も含めて、一棟の住宅であれば戸建てとする考え方が一般的です。
戸建てには以下の3つの種類があります。
・注文住宅
間取りやデザイン、設備などを自由にオーダーできる住宅です。
・建売住宅(分譲住宅)
土地と建物がセットで販売されている住宅です。
・中古住宅
注文住宅・建売住宅が「新築一戸建て」であるのに対し、中古住宅(中古一戸建て)は過去に人が住んだことがある住宅のことで、建設工事完了の日から1年以上経過した住宅も中古住宅として含みます。フラット35の基準では、建築後2年以上を中古住宅と定義しています。
2.種類別!戸建てのメリット・デメリット
戸建てのメリット・デメリットは、新築住宅である注文住宅、建売住宅(分譲住宅)と、中古住宅のそれぞれで異なります。以下では、3つの住宅のメリットとデメリットについて紹介します。
2-1.注文住宅
注文住宅のメリットは、以下の通りです。
- ライフスタイルに合わせた自分好みの家を作ることができる
- 建築過程を実際に見て確認できる
- ハウスメーカーや工務店を自由に選べる
- 資産価値が高い
注文住宅の場合は、間取りや内装・外装のデザイン、空調設備など、自分がこだわりたいポイントを大切にした家づくりができます。ほかにはない特別なマイホームとなり、愛着もより一層増すでしょう。また注文住宅の場合、基本的には基礎部分の工事や壁内工事などへの立ち合いが可能です。そのため、安心して家づくりを進められます。
一方で、注文住宅のデメリットは、以下の通りです。
- 費用がかかる
- 入居まで時間がかかる
- 完成するまで実際の住宅を見れない
注文住宅は、建売住宅と比較してコストが高くなります。こだわりたい部分が増えるほど費用はかさみやすい傾向があります。予算内で抑えるためには、優先順位をあらかじめ決めておくとよいでしょう。
また、住み心地や見た目を確かめられる建売住宅や規格住宅と比較して、注文住宅は実際の建物が完成するまで実際に住むときの様子を確認できません。そのため、完成した後に「想像と少し違った」と思うようなリスクも一定あります。
2-2.建売住宅(分譲住宅)
建売住宅のメリットは、以下の通りです。
- 費用を抑えやすい
- 購入前に住居を確認できる
- 住宅ローンを使用して、土地・建物代金を一括で支払える
建売住宅は、同じ規格で作られることが多いため、ハウスメーカーや施工会社は建築資材や設備費用などを抑えることが可能です。そのため販売価格も、注文住宅と比較して安価な傾向です。
すでに完成している家の場合は、間取りや設備、生活動線など、購入する前に家の中を確認できます。細部を確認した上で購入するかどうかを決断することが可能です。まだ完成していない家であっても、モデルハウスなどを実際に見ながらイメージできます。
一方で、建売住宅のデメリットは、以下の通りです。
- 建築過程を見ることができない
- 間取りや設備、外観などが決まっている
- 郊外にある場合が多い
建売住宅では完成している物件を購入する場合が多く、建物の建築過程を現場にて確認することは基本的にできません。購入後に建築する場合であっても、注文住宅のように基礎工事部分までは確認できないケースがあります。
また、建売住宅はパッケージ化された住宅なので、設備や間取りは画一的に決まっています。そのため、家に対してこだわりを持っている人には不向きといえます。
2-3.中古住宅
新築住宅ではなく、中古住宅を購入するメリットは以下の通りです。
- 購入価格が新築住居より安い
- 住みたいエリアを自由に選びやすい
- 住宅を購入前に確認できる
基本的に、住宅は築年数が経過すると資産価値も減少します。同じ地域で同じくらいの間取りである場合、新築と中古の戸建てであれば、中古住宅のほうが購入価格は安いことがほとんどでしょう。
また中古住宅は、住宅がすでにある状態のため、内装・外装も細かく確認した上で購入できます。仮にどこか気に入らない場所があったとしても、リフォームやリノベーションも視野に入れて購入することが可能です。
一方で、中古住宅のデメリットは以下の通りです。
- 耐震性が低いケースがある
- 修繕が必要な場合がある
- 住宅ローン審査が厳しいケースがある
建築確認の申請を行った時期によって、適用されている耐震基準が異なります。具体的には、耐震基準は1971年・1981年・2000年に大きな改正があったため、築年数が古い場合は確認しておくようにしましょう。また、中古住宅は新築住宅よりも少なからず劣化しているため、修繕費・維持費がかさみやすいデメリットがあります。
さらに中古住宅は、建物の資産価値が新築住宅に比べると低下していることが多いです。そのため、金融機関が設定する担保価値が低い場合があります。事前に住宅ローンの仮審査を受け、希望するローンで中古物件が購入できるかを調べておくことが重要です。
3.戸建てと集合住宅の違いやメリット・デメリットを比較
戸建てとは、1棟の住宅のことであり、一軒家とも呼ばれます。
集合住宅は、1つの建築物の中に複数の独立した住戸がある住宅のことです。マンションやアパートなどの共同住宅をはじめ、テラスハウス、タウンハウスなどの長屋も集合住宅の1つです。
3-1.集合住宅のメリット
集合住宅のメリットは以下の4点です。
- 立地が良い物件が多い
- セキュリティ面での安心感がある
- 共用部分の清掃・管理が不要
- 居住者同士のコミュニケーションが生まれることもある
駅の近くや、交通の便が良い場所は土地が高額です。戸建てで欲しいと思っても、手が届かないケースや、そもそも戸建て用の土地が見つからない場合もあるでしょう。集合住宅は利便性の高い場所に建てられることが多いため、複数の候補から比較して選びやすいです。
集合住宅の中でもマンションなどでは、オートロックや管理人の常駐、防犯カメラなど、セキュリティ・防犯対策が整っていることが多いです。
3-2.集合住宅のデメリット
集合住宅のデメリットは以下の4点です。
- 騒音問題が発生する可能性がある
- リフォームやリノベーションは基本的にできない
- 駐車場にお金がかかるケースが多い
- 月額で家賃や管理費を払うものの、資産にはならない
集合住宅は、複数の世帯が住んでいるため、上の階や下の階、横の部屋から生活音がどうしても聞こえる場合があり、トラブルが発生する可能性があります。
また、共用部分を管理するための管理費や、将来的に修繕が発生したときのための修繕積立費がかかります。一戸建てにはかからない費用が発生してしまうため、注意が必要です。
まとめ
戸建てにも種類があり、まずは注文住宅か建売住宅に分かれます。こだわりポイントが多い場合は注文住宅がおすすめですが、費用が高くなりやすいです。一方で建売住宅の場合は、自由度が多少低くなるものの、コストを抑えつつマイホームを手に入れやすくなります。
また新築・中古という分け方もでき、新築・中古ともにどちらにもメリット・デメリットがあります。マイホームの購入を検討している場合は、まずは自分たちの家族にどのタイプの家が合うのかをよく話し合うとよいでしょう。